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VDI環境でのUiPath製品の展開方法

はじめに

本記事ではUiPath製品をVDI環境にて使用する際の展開方法および留意事項について記載します。
この内容はバージョン2018.4に基づくものであり、将来のバージョンアップにより製品仕様が変更される可能性がありますので、予めご了承ください。

 

VDI製品の前提

UiPath製品は特定のVDI製品に依存することがないため、本記事では可能な限りニュートラルに記述しております。
検証済みの製品についてはUiPath Studio/Robotのソフトウェア要件をご参照ください。

https://studio.uipath.com/lang-ja/docs/software-requirements
https://robot.uipath.com/lang-ja/docs/software-requirements

 

環境別考慮点

VDI環境およびUiPath環境の構成により、製品の展開方法および留意点が異なります。
ポイントとなる構成は下記の3点です。

  1. 1.Orchestrator: 使用有無
    • Orchestrator有りの環境ではOrchestratorでライセンスが管理され、Orchestrator上であらかじめ定義されたロボットに動的にライセンスが付与されます。v2018.4以降ではStudioライセンスもOrchestratorで管理が可能となります。
    • Orchestrator無しの環境はローカルアクティベーションを行い、license.config で定義されたディレクトリ上にアクティベーション情報を保持します。
  2.  
  3. 2.割り当て: ユーザーとマシンの割り当てが固定(静的)かランダム(動的・流動的・プール型)か?

  4. image-1

    • Orchestrator無しの環境は割り当ての種類による影響はありません
    • Orchestrator有りの環境では、Orchestrator上のロボットは従来ユーザーとマシンの組み合わせで定義されています。このためユーザーとマシンの割り当てがランダムの場合には、それぞれを掛け算した数のロボットを登録する必要がありました。
      • この問題は、フローティングロボットを使用することにより、v2018.3以降はAttended ロボット、v2018.4以降はStudioを任意のマシンで使用可能となりました。
    •  
  5. 3.パーシステンス: OS再起動やマスターイメージ更新した場合でもファイル変更が保持されるか?

 

・パーシステンス有りの環境では個々の仮想デスクトップをマスターイメージからフルクローンして作成するため、個々にファイル変更を永続的に保持することができます。

・パーシステンス無しの環境ではマスターイメージを一対多で仮想デスクトップに割り当て、個々のデスクトップではキャッシュ情報のみを保持します。
このキャッシュはOS再起動やマスターイメージ更新などの操作によりリセットされるため、個々のデスクトップでのファイル変更は破棄されます。

 

  1. image-2

    • Orchestrator有りの環境ではパーシステンスによる影響を受けません。
    • Orchestrator無しの環境では、デフォルトでローカルディスク上にアクティベーション情報が保持されますが、パーシステンスが無い場合には、再アクティベーションが求められます。
      • この問題を回避するには、ファイル共有など永続的なディスク上にアクティベーション情報を保持するように設定変更する必要があります。

 

それぞれの環境における留意事項一覧

 

パターン
Orchestrator
割り当て
パーシステンス
ロボット種類
  1. 留意事項
詳細
1 固定 Unattended 問題なく使用可  
2 固定 Attended 問題なく使用可  
3 固定 Studio 問題なく使用可  
4 固定 Unattended 問題なく使用可  
5 固定 Attended 問題なく使用可  
6 固定 Studio v2018.4以降のOrchestratorでフローティングロボット(Development)の使用を推奨 3
7 ランダム Unattended v2018.xではマシンとユーザーのすべての組み合わせを予めロボットとして登録する必要あり (将来のバージョンで改善予定) 1
8 ランダム Attended v2018.3以降のOrchestratorでフローティングロボット(Attended)を使用する必要あり (移動プロファイルでは既知問題あり) 2
9 ランダム Studio 問題なく使用可  
10 ランダム Unattended v2018.xではマシンとユーザーのすべての組み合わせを予めロボットとして登録する必要あり (将来のバージョンで改善予定) 1
11 ランダム Attended v2018.3以降のOrchestratorでフローティングロボット(Attended)を使用する必要あり (移動プロファイルでは既知問題あり) 2
12 ランダム Studio v2018.4以降のOrchestratorでフローティングロボット(Development)の使用を推奨 3
13 固定 Unattended 問題なく使用可  
14 固定 Attended 問題なく使用可  
15 固定 Studio 問題なく使用可  
16 固定 Unattended ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4
17 固定 Attended ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4
18 固定 Studio ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4
19 ランダム Unattended 問題なく使用可  
20 ランダム Attended 問題なく使用可  
21 ランダム Studio 問題なく使用可  
22 ランダム Unattended ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4
23 ランダム Attended ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4
24 ランダム Studio ホストごとにアクティベーション情報をファイルサーバーなどに保存するようlicense.configを変更する必要あり。ホスト名が動的に変更される場合は、割り当てられたホストごとに初回アクティベーションが必要となる。 4

 

留意事項の詳細

  1. 1.Orchestrator有り・割り当てランダムの環境でUnattendedロボット使用の場合
  2.  (パターン7, 10) 
  3.  
    • v2018.xではUnattendedロボットはフローティングロボットに未対応のため、マシンとユーザーのすべての組み合わせをあらかじめ標準ロボットとして登録する必要があります。
    • すべての組み合わせが膨大になり登録することが現実的に難しい場合には、Unattendedロボットはマシンとユーザーの割り当てを固定に設定するようVDIを再構成することを推奨します。
    • この制限事項は将来のバージョンで改善される予定です。

 

    1. 2.Orchestrator有り・割り当てランダムの環境でAttendedロボット使用の場合 
    2. (パターン8, 11)
    3.  
      • v2018.3で導入されたフローティングロボット(Attended)を使用することにより、ユーザーのみをロボットとして登録し、共通のマシンキーを使用してOrchestrator接続された任意のマシンでAttendedロボットを実行することができます。
      • フローティングロボット(Attended)を使用するには次のナレッジベースをご参照ください。
      • フローティングロボットの機能と利点
    4.  

  1. 3.Orchestrator有り・パーシステンス無しの環境でStudio使用の場合
  2.  (パターン6, 12)
  3.  
    • v2018.4で導入されたフローティングロボット(Development)を使用することにより、ユーザーのみをロボットとして登録し、共通のマシンキーを使用してOrchestrator接続された任意のマシンでStudioを実行することができます。
    • フローティングロボット(Development)を使用するには次のナレッジベースをご参照ください。
    • v2018.3以前のStudioを使用する必要がある場合には、次の留意事項4の方法を使用します。

  4. 4.Orchestrator無し・パーシステンス無しの環境でUnattendedロボット、AttendedロボットまたはStudio使用の場合 
  5. (パターン16, 17, 18, 22, 23, 24)
  6.  
    • Orchestrator無しの環境では、デフォルトでローカルディスク上にアクティベーション情報が保持されますが、パーシステンスが無い場合には再アクティベーションが求められます。
    • この問題を回避するには、次の手順により永続的なディスク上にアクティベーション情報を保持するように設定変更します。
      • 管理者権限を使用して、Studioインストールディレクトリ配下のlicense.configファイルをエディターで開きます。
      • <WorkDir>と<LicDir>をファイルサーバーなど永続的なディレクトリ上にマシン毎にアクティベーション情報を保持するように設定変更し、保存します。

      •  

        license.config
        <WorkDir>\\fileserver\UiPath\License\%ComputerName%</WorkDir>
        <LicDir>\\fileserver\UiPath\License\%ComputerName%</LicDir>
    • ログオンごとに毎回マシン名が変更される場合は、割り当てられたマシンごとに初回アクティベーションが求められます。マシン数が多いなど、この方法で実運用が難しい場合にはフローティングロボット(留意事項詳細の2および3参照)により対応が可能となりますので、Orchestrator導入をご検討ください。