導入事例:アイング株式会社 業種:ビルメンテナンス業

RPA活用を軸に全社一丸となった
業務改革推進とリソースシフトにより
競争力の向上を実現

業務のデジタルシフトを軸とした業務改革の推進に取り組むアイングでは、RPAの活用を改革推進のドライバと位置づけ、UiPathを採用。Task Captureを利用した業務プロセスの可視化により、RPAの適用業務を「発見」し、その自動化により劇的に業務を効率化した。あわせて、自動化によりできた時間を利用し、最適な業務へと人員を配置し、リソースシフトを実現。さらなる競争力の向上に向けて環境を整備した。

CHALLENGE業務改革推進のドライバとして
RPAの自発的活用を目指す

ビル管理事業を中核としたビジネスを展開するアイング。現在、清掃や警備、設備管理といった業務を、商業施設やオフィスビルなど1500の施設において請け負っている。同社では2019年度から、本格的な業務改革に乗り出した。さらに2020年度に入ってからは、改革の取り組みの一環として、経営企画室内にDX推進チームを設置。業務のデジタルシフトを改革推進の軸にするというスタンスを明示的に打ち出した。その牽引役であるDX推進担当部長の守屋幸作氏は「チームの合言葉は“ゲームチェンジ”。それまでの業務改革のあり方を再定義し、既成概念にとらわれることなく取り組みを推進していこうという思いが、この言葉には込められています」と強調する。

そうした取り組みにおける重要施策として同社が位置づけているのがRPAの活用だ。同社ではすでに2020年1月頃からRPA導入に向けた検討を進めていた。そうした中で、あるベンダー製のRPAツールを試験導入するといった施策にも着手していたという。「そのときは、ベンダーにロボットを開発してもらい、いわば受け身の姿勢で利用しているという状態だったこともあり、今ひとつ活用の機運が盛り上がりませんでした。やはり、我々自身が自発的に現場業務の抱える課題に合わせて活用していけるような体制が必要だと考えました」と守屋氏は語る。

そうした折、あるきっかけからUiPathの担当者とミーティングを持つ機会があった。そこでの的確な応対に好感を抱いた同社では、その後もUiPathとのミーティングを重ねた。「UiPathは製品を営業するというより、当社が業務においてどういう課題を抱えているかにしっかり耳を傾け、どうすればそれを解消できるかを真摯に検討するというもので、その顧客本位の姿勢から同社が信頼に足るパートナーとなり得ることを確信しました」と守屋氏は振り返る。最終的にUiPathのRPAプラットフォームの採用を決定。開発ツールである「UiPath Studio」、実行インスタンス「UiPath Robots」にくわえ、自動化対象業務の「発見」を支援するツールであるUiPath「Automation Hub」「Task Capture」もあわせて導入することにした。これら製品群は、まさに自発的なRPA活用を目指す同社の思いにフィットするものだった。

SOLUTION業務プロセスの現状可視化が
改革へのファーストステップ

アイングがUiPathを導入したのが2020年7月のこと。早速、同社ではRPAの業務適用に向けて動き出した。「まず実施したのが業務の棚卸し。RPA化するかどうかは別として、現状の業務を可視化して、問題点があればそれをしっかりと把握することが業務改革のファーストステップだと考えました」と守屋氏は説明する。

そこで大きな威力を発揮したのが「Task Capture」だった。このツールでは、実際に業務手順を一通り実施することで、スクリーンショットや操作に関する情報を自動的に収集し、プロセスの可視化を支援するもの。「当社の場合、例えばある事務作業はAさんでないとわからないとか、このクライアントのことはBさんに聞くしかないなど、業務が属人化している状況でした。仮にヒアリングを行っても、現場側で業務プロセスを客観的に語ることは難しいというのが実情。そうした背景もあり、Task Captureの紹介を受けたときは、当社に必須のツールだと直感しました」と守屋氏は言う。

そうした棚卸し作業を経て、同社が最初にRPA化に取り組んだのが、スポットで請け負う清掃や警備などの受注案件にかかわる一連のプロセスだった。業務の概要としては、案件が発生すると、顧客から依頼書を受領する。それをExcel経由で「Billy」と呼ばれる基幹システムに登録して見積書を作成。その後、ワークフローシステムを使って、見積書の社内承認を行い、承認完了後に捺印された見積書を顧客に送付。顧客での承認後、注文書が送られてくるので、それを会計システムに登録するという流れだ。

「このように業務の受注処理には3つのシステムがかかわるのですが、システムの間にはさまざまな人手が介在し、プロセスが分断されているため、そこでのタイムラグが避けられなかったわけです。そこにRPAを適用してプロセス全体を“一本の道”としてつなぎ、自動化、効率化を図りました」と守屋氏は説明する。

そうした受注プロセスのRPA化にあわせて、同社では社内ルールの変更も行った。従来は管理上の問題から、注文書作成の都度、そこに貼付する印紙を所管部署である総務部に申請して購入してもらう必要があり、そこでもタイムラグが発生していた。RPA化を機にそうした運用を、あらかじめまとめて購入しておいた印紙を所定の場所で管理し、注文書が発生した際にはそれを適宜貼付するというかたちに切り替えた。「つまり、RPA化によって実現されるプロセスのスピード感に適うよう、人的オペレーションのルール変更を行ったわけです」と守屋氏は言う。

システム連携イメージ

システム連携イメージ

BENEFITバックオフィス業務のスピード化により
最適な人員配置へと変更、リソースシフトを実現

このようにアイングでは、業務の受注にまつわる課題をRPA化により解消。社内ルールの変更も含めたプロセス全体の最適化により、スピーディな業務の実践が可能となった。こうした省力化の結果、当該業務に携わっていた一部人員を、コロナ禍により需要が爆発的に高まる消毒サービスの業務へと配置転換する、いわゆるリソースシフトを実現したのだ。

「例えば、以前2週間程度を要していた見積書の発行が、せいぜい3~4日で終わるようになるなどその効果は絶大。特にスポットで発注したいというお客様は多くの場合、緊急性の高い要求があってのことなので、ニーズに速やかに応えられるようになったことは当社にとって大きな前進です」と守屋氏は胸を張る。

一方、今回の取り組みを通してRPAのもたらす利便性が示されたことで、従業員の業務改革に向けた意識にも大きな変化がもたらされている。具体的には、RPAの適用による省力化や作業品質の向上といったメリットを、ぜひ自らが携わる業務においても享受したいと従業員が考えるようになり、日々実践しているプロセスを構造的に把握しようとしたり、RPA化するにはどう改善すべきかという意識をもって業務に臨む傾向が高まってきているという。その中で、従業員自らがTask Captureを使って手元の業務プロセスを可視化していくことも視野に入れているという。「そうした観点で、わが社ではRPAを基軸として今後の業務改革を推進していく体制が整ったものといえます」と守屋氏は強調する。

RPAの活用が従業員の意識向上に大きく貢献。さらなるRPAの積極展開による成果を通じて、全社一体となった競争力向上の機運をますます高めていきたい。

アイング株式会社 経営企画室長 DX推進担当 担当部長守屋 幸作 氏

NEXTRPA化に向けた現場の潜在的アイデアを
漏れなく収集し、管理する

すでにDX推進チームのもとには、自分の携わる業務をRPA化できないかという声も従業員から数多く寄せられているという。同チームでは、そうした要求に順次応えるかたちで、RPAの適用業務を拡大していく構えだ。今後の取り組みに向けて、同社が大きな期待を寄せているのが、RPAの「使い手」と「作り手」を繋ぐ企業内コラボレーション製品であるAutomation Hubだ。従業員はAutomation Hubを通じてRPA化に向けた自動化アイデアを提案でき、DX推進チームは現場の潜在的なRPA化の要求を創出・集約・管理することができ、案件の選定や優先順位づけを行うことも可能となる。また、再利用可能なRPA開発用のコンポーネントを管理・共有するための機能もAutomation Hubには備えられている。

「これからRPAの活用が広がる中で、数多く寄せられる従業員からの自動化案件を適切に整理する一方、増え続けるロボットをしっかりと管理していく必要があります。そうした局面を支えるAutomation Hubは、当社のRPA活用において不可欠なツールだと位置づけています。RPAのさらなる活用により、社員が事務作業で逼迫することなく、人にしかできない現場の業務等、常に最適な業務にリソースシフトしていくことが理想」と守屋氏は語る。

今後もアイングでは、UiPathの提供するソリューションの活用をベースに、従業員全員が高い意識をもって業務改革を推進していくことになる。

導入ソリューション

導入ソリューション UiPath Automation Cloud / UiPath Automation Hub / UiPath Task Capture

The Results

  • 3~4日 約2週間を要する見積書発行を
    3~4日程度に
  • 5名 業務担当者を
    11名から5名にまで削減
  • リソースシフト 最適な人員配置により、
    外部環境に応じた競争力の向上
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