ケース(Case)の操作
前回は、取引先責任者(Contact)を操作するワークフローをご紹介しました。もし見逃したという方は「取引先責任者(Contact)の操作」も併せてご覧ください。
お問い合わせフォームで受け付け、ケースに連携されたWebサイトのID削除依頼。作業実施後に作業履歴をケースコメントに入力しているが、定型文のため作業と合わせて自動化できないものか・・
こういった「定型ケースコメントの入力」を煩わしく思われたことはないでしょうか。
記録管理上、履歴を残すことの重要性は理解していても、定型文で単純なオペレーションはどうしても煩わしく感じるものです。
ケースにまつわる定型的な事務処理と合わせて自動化すれば、効率アップにつながると思います。
ケースの主要関連オブジェクト
ケース(Case)オブジェクトを取り巻く、主要な関連オブジェクトを確認しておきましょう。 ※本記事から読み始められた方で"オブジェクト"という単語を初めて目にした方は「Salesforce連携ソリューションを活用するための基礎知識1」を先にご覧ください。
様々なオブジェクトが関連していますが、ケースレコードの中にはケースコメントのIDが項目として含まれていないことがわかります。よって、ケースコメントを登録する場合は、関連するケースのIDを特定しておき、ParentIdにセットして登録することとなります。
ケースコメントの登録
ワークフローの全体像は次の通りです。
なお、ケースは予めSalesforceに登録されている必要がありますので、ない場合はWeb画面から準備してください。
オブジェクトの関連に則したActvityの設定方法を中心にお届けしているため、Salesforceアプリケーションスコープの設定やエラー制御は含まれておりませんのでご了承ください。
個別にプロパティの設定内容を見てみます。
①ケース番号からレコードのIDを特定します。
-
SOQL詳細:
SELECT Id,CaseNumber,Subject FROM Case WHERE CaseNumber = '00001032'
- Id,ケース番号(CaseNumber),件名(Subject)をケース(Case)オブジェクトから取得するSOQLです
- レコードの絞込条件として、
- 特定のケース番号であること
- SELECTの項目「Subject」は後続で使用しませんが、デバッグ時に確認の補助となるため入れています
- 上記ではレコード絞込条件としてケース番号を指定していますが、ケースの件名や状況、取引先名などから絞り込む場合の参考例は次の通りです。
WHERE Subject = 'サンプル問合せ' AND Status = 'New' AND Account.Name = 'サンプル株式会社'
- Salesforceステータスは必要に応じて設定します。
※本例では設定していますが、後続では使用しません。 - SOQLの結果を格納するため変数を設定します。
- 変数の型はDataTableです。
- DataTable内の列はSELECTの項目名になるため、Id, CaseNumber,Subjectの3列になります。
②ケースコメントを登録します。
- 登録対象オブジェクト「CaseCommnet」を選択します。
- 登録対象の項目を選択する子ウインドウを開きます。
- 登録対象の次の項目をリストから選択します。
本文 (CommentBody), 参照先ID (ParentId)
- 各項目に登録する値を設定します。
- ParentId(参照先ID)は関連付けるケースレコードのIDです。本例では①で取得した
「sfdcCaseList(0)("Id").ToString()」を設定します。
- ParentId(参照先ID)は関連付けるケースレコードのIDです。本例では①で取得した
- 必要に応じてSalesforceステータスに変数を設定します。
※本例では設定していますが、後続では使用しません。
これで完成です。ワークフローを実行してみてください。対象のケースにケースコメントが登録されていれば成功です。
まとめ
今回はケース(Case)を操作するワークフローをお届しました。
皆様のワークフロー開発の一助になれば幸いです。
Activityの公開先 (UiPathマーケットプレイス):
Salesforce連携ソリューションご案内:
その他連携ソリューションご案内:
https://www.uipath.com/ja/solutions/application-cooperation-solutions
次回は「商談(Opportunity)の操作」をおこなうワークフローをお届けします。お楽しみに。
