概要
移動プロファイル環境でロボットを使用する上での設定・注意事項について説明します。
以下3条件に該当した場合、プロセス実行時に An error appeared while executing というエラーが発生します。
- ・ログインに使用するWindowsユーザのプロファイルの種類が 移動 である。
- ・移動プロファイルを使用した同一 Windows ユーザが異なる端末へログインし、
- 2回目以降 プロセス実行を行っている。
- ・UiPath Robotのバージョンが 2018.2以降 である。
エラーダイアログの詳細は次の通りです:
An error appeared while executing <プロセス名>
Error messge: ファイル ’%USERPROFILE%\.nuget\Packages\<プロセス名>\<バージョン>\lib\net45\Main.xaml’が見つかりませんでした
原因
初回Windowsログインでのプロセス実行時には %USERPROFILE%\.nuget\Packages 配下にXAMLファイルが展開されますが、セキュリティ強化の仕様上、ユーザ権限ではXAMLファイルのコピーが行えません。
このためWindowsログアウト時にローカルからファイルサーバへの移動プロファイル同期の際にXAMLファイルのみコピーに失敗します。
この状態で別端末へWindowsログインした場合、XAMLファイルが欠落した状態でファイルサーバからローカルへの移動プロファイルの同期が行われるため、2回目以降 UiPath Robotからプロセスを起動する際にXAMLファイルが見つからずエラーが発生します。
再現方法
- 移動プロファイルを使用しているWindowsユーザでプロセス実行端末へログインします。
- タスクトレイ上のUiPath Robotから、Updateボタンを押下し、プロセスの更新を行います。
(例)プロセス更新前
(例)プロセス更新後
- 上記端末からログアウトします。
- 別のプロセス実行端末に同一ユーザでログインし、タスクトレイのUiPath Robotからプロセスを実行します。
(例)プロセスの実行
回避方法
下記の1または2いずれかの手順を実行した上でプロセス更新を行うことにより、プロセス実行が正常に行われます。
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1.グループポリシー設定
- 1-1:ADサーバー上で グループポリシーの管理 を起動します。
- 1-2:Windowsログインに利用するユーザアカウント対して、%USERPROFILE%\.nuget を同期フォルダから除外を
- 行うグループポリシー設定を行います。
- 1-3:[ユーザーの構成] - [ポリシー] - [管理用テンプレート] - [システム] - [ユーザープロファイル] - [特定のディレクトリを移動プロファイルから除外する]を選択します。
- 1-4:「特定のディレクトリを移動プロファイルから除外する」ポリシーに .nuget を設定し、有効化します。
(例)除外ポリシー設定表示
- 1-5:グループポリシーオブジェクトを移動プロファイルを使用しているユーザーに適用します。
-
2.XAMLセキュリティ無効化
- 2-1:UiPath Studio v2019.4以降をお使いの場合には、次の手順により、XAMLファイルのセキュリティ機能を無効化することができます。この手順を実施しますと、NuGetパッケージから解凍されたXAMLファイルをユーザー権限で閲覧、編集することが可能になるため、セキュリティレベルが低下することに留意してください。
- 2-2:Studioインストール時に次のコマンドラインオプションを使用して実行します。(参照: https://docs.uipath.com/studio/lang-ja/docs/msi-command-line-parameters)
msiexec /i UiPathStudio.msi DISABLE_SECURE_XAML=1
- 2-3:設定ファイル C:\Program Files (x86)\UiPath\Studio\uipath.config に次の設定が追加されていることを確認します。
<configuration>
<packageSettings>
<add key="disableSecureXaml" value="true" />
</packageSettings>
</configuration>
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3.プロセス更新
- 3-1:各端末にログインした際にタスクトレイのUiPath Robotからプロセスの更新を行います。
- 3-2:端末+ユーザ単位で %USERPROFILE%\.nuget\Packages フォルダ内にキャッシュされるため、プロセス更新は初回のみ行います。
- 3-3:プロセスのバージョンアップ時には、適宜プロセス更新を実施して下さい。