シミックグループに聞く、RPA市民開発者のモチベーションを高める仕組みづくりとは?

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〜UiPath Japan MVPが牽引。全社を巻き込んだ自動化推進の事例〜

日本で最初にCRO(医薬品開発支援)ビジネスを開始したシミックグループ。 現在ではCROの領域を超え、事業モデル「PHVC:Personal Health Value Creator」を展開し、ヘルスケアのプロフェッショナルとして「個々人の健康価値の最大化」を目指した活動を行っています。

シミックグループの一社として、人材紹介や人材派遣、アウトソーシング事業を展開しているシミックソリューションズ株式会社は、2017年にUiPath製品を導入。市民開発者を増やしながら、グループ全体への普及と質の高いサービス提供に取り組んでいます。大きな組織の中で社員を巻き込んでいくためには、どんな取り組みが有効なのでしょうか。UiPathの活用法や、ユニークな施策についてご紹介します。

保守的な流れの中、実績が社内の雰囲気を変えた

2017年にRPAを導入されたシミックソリューションズ。当時、プロジェクトを担当していた北中さんと齋藤さんに、導入時の様子について聞きました。

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シミック株式会社 リソースマネジメント本部 ICT企画部

北中 詠司 氏

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シミックソリューションズ株式会社 新規事業企画統括本部

齋藤 敦 氏

●導入の背景

―御社がRPAを導入した経緯を教えてください。

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北中さん:2017年、RPAというキーワードが話題になりはじめていた頃、シミックグループでも事業会社トップのアイデアでRPA導入を検討することになりました。働き方改革が叫ばれているなかで、RPAなどDXツールを使いこなしていけないと、今後ビジネスとしても勝ち残れない、という考えがありました。いくつかの製品がありましたが、私達がやりたいことと、それぞれのプロダクトが持つ特徴を照らし合わせたところ、UiPathしかないと判断して導入を決めました。

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齋藤さん:UiPath導入後、いきなり今のように活用の機運が高まったたわけではありません。製薬業界の仕事は人の命が関わるため、新しい手法を取り入れることに対して抵抗が起こりやすい一面があります。「ロボットに任せて動かなかったら誰が保証するのか?」「今、手動でできていることに、なぜ費用をかけるのか?」などの消極的な意見もありました。

そんななか、バックオフィス部門で行った、受信メールをリスト化するなどの複合的な業務で、年間で5,000時間以上の創出に成功。会社のムードは一変し、RPA推進の専門部署も立ち上がりました。

UiPathの便利なツールを組み合わせ、グループ全体でRPAを活用しやすい環境づくり

RPA推進の専門部署ができてからは、UiPathの様々なツールを組み合わせながら、社員を巻き込むための施策を数多く行っているのだそう。4人の推進メンバーに、UiPath製品の使い勝手や施策について聞きました。

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シミックソリューションズ株式会社 ビジネスソリューションズ統括本部 ICT部 チームリーダー UiPath Japan MVP 2022

森田 唯 氏

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シミックソリューションズ株式会社 ビジネスソリューションズ統括本部 ICT部

中里 豊 氏

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シミックソリューションズ株式会社 ビジネスソリューションズ統括本部 ICT部

相原 崇史 氏

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シミックソリューションズ株式会社 ビジネスソリューションズ統括本部 ICT部

田中 裕和 氏

●開発のしやすさ

―UiPath製品を使ってみていかがですか?

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森田さん:RPA単体で動く製品はいくつもありますが、様々な現場でロボットが稼働する場合、どのように統制を取るかが課題になります。UiPathにはOrchestratorという管理ツールがあり、ジョブの実行状況や活用状況を可視化できます。単体の業務だけでなく、部署やプロセスをまたいで全体を見渡せて、管理できる仕組みが整っていると感じます。

また、2017年当時、海外製品は英語版しかない状態でしたが、UiPathがいち早く日本語対応し、助かりました。使用中の不具合についても、パッチなどで迅速に対応してもらえています。

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相原さん:私がUiPathでいいなと思うのは、アカデミーです。個人のレベルに合わせて学習できる環境が整えられているので、社員にRPAを広める立場としてとても助かっています。

新しい機能やUIに合わせて日々更新されていくのも嬉しいですね。

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中里さん:この部署に配属される前、私は現場で働いていました。現場ではアナログな部分も多く、前のプロジェクトで使っていたExcelマクロを、次のプロジェクトでも直しながら使うといった状況でした。UiPathのAutomation Hubは、誰かが作ったロボットをアップしておけば、他の人も自由にダウンロードして使うことができます。自分のロボットもアイデアとして共有することができ、会社全体の作業効率化につながっていると思います。

社内を巻き込むユニーク施策で、 市民開発者をサポート

●社内を巻き込む取り組み

―社内の方を巻き込むために、どんな取り組みをされていますか?

森田さん:まず行ったのは継続研修です。単発の研修では時間と共に忘れられてしまうため短い単元の研修を週1回実施し、約3カ月で卒業できる形式に。研修の様子は社員が自由に見直せるようにしていたため、後半になるにつれて盛り上がりました。

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田中さん:研修を一通り終えた後に始めたのは、交流の場づくりです。市民開発者の方がエラーに直面した時、一人で悶々と悩んで挫折してしまうのはもったいないですよね。そこで、相談ができる場をバーチャルオフィス上に作りました。ここでは会話をしてもいいし、もくもくと作業をしてもいい、という意味を込めて「もくもく会」と名付けました。

相原さん:「もくもく会」は、雑談、質問、商品紹介などのエリアが分かれています。私は初めて訪問してくれた方が使いやすいように案内を行うほか、業務効率化をしたい方に対しては、ニーズに合わせたデジタルツールの提案なども行っています。

中里さん:また、年に1度、「RPAチャレンジコンテスト」を開催しています。これは、市民開発者の皆さんが自身の業務でつくったロボットを発表する場。シミックグループの全社員が対象です。予選はZoomによるウェビナー形式で行い、決勝ではグループの役員と視聴者投票によってグランプリを決定します。予選参加者9組12名からちょうど今決勝に向けて、3組が選ばれたところ。盛り上がっています!(2022年12月取材時)

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※取材翌週に開催された「チャレンジコンテスト」表彰式後のひとコマ

●UiPath Japan MVPの活動

―森田さんはUiPath Japan MVPとしても活動いただいていますが、業務の中に活かせる経験はありますか?

森田さん:UiPath Friendsと呼ばれるコミュニティの中で、同じような業種の会社さんと出会い、意見交換を行っています。社内では、「それってまだ早いのでは?」と言われるようなことが、社外では成熟しきっていることも。このようなスピード感の差を肌で感じながら、新しい情報を社内に発信しています。また、グローバルのFORAWRD 5 に参加し、海外のユーザーを目の当たりにして市場の大きさを実感しました。海外からの参加者を見て、一番衝撃を受けたのは、「ユーザー企業」からの参加者が圧倒的に多い事でした。日本からの参加者は、パートナー会社の方が8割ほどでしたので、海外ではユーザー企業自らが、自分たちの会社のデジタル活用に積極的に取り組んでいるのだろうと思いました。もちろん、頼れるパートナー会社と共に社内の改革を行っていくことも重要ですが、熱量の差は感じました。RPA活用はシステム導入とは異なります。ITの知識に精通した人だけが行うものではなく、業務の中に取り入れていくものだと思っていますので、ユーザー企業の中でももっと盛り上がってほしいですね。

UiPathをプラットフォームとして、業務効率化を加速

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最後に、今後の目標や、RPA導入を検討している方へのメッセージをいただきました。

●今後に向けて

森田さん:今後、業務効率化を進めていくためには、RPA以外のツールも必要となります。UiPathをプラットフォームとして位置づけたうえで、ローコード、ノーコードのアプリケーションを総合的にラインナップした活用方法を検討しています。

また、従業員のITスキル向上のための支援にも力を入れたいと思っています。どのようにスキルアップしていくか、ロードマップと合わせて提供していきます。

田中さん:私達はシステムの提供はもちろん、現場のユーザーさんに「こんなに便利なんだ!」と知っていただき、現場のユーザーさんからも発信して広めていただけるよう、サポートや企画を続けていきたいと思います。RPAをきっかけに、部門や会社を越えて皆さんがつながっていくのが理想です。

相原さん:本当にそうですね。グループ全体で業務効率化を進めていく中で、私達メンバーだけで広めていける範囲には限界があります。実際にRPAを使って感動した人が、周囲の方に広めやすいよう、教材を用意するなどしてサポートを行っていきます。

中里さん:私の目標は、RPAで業界全体を盛り上げていくことです。現場の方々は、病院などの施設スタッフの方々とやり取りする機会が多くあります。そういったコミュニケーションの中でRPAの便利さを伝えていただくことで、この業界全体の働き方改革につながると嬉しいです。

齋藤さん:いいですね。社名のシミック(CMIC)は、Current Medical Information Centerの頭文字。新しい情報を伝えていくことはミッションのひとつです。RPAはそのミッションを行ううえで、非常に強力なツールになると思います。

北中さん:なによりRPAの導入は、自分の業務を見直すきっかけになります。どんなことを指示すれば良いか分からないという方は、RPAロボットが従業員の一人と考えてみるとシンプルです。しかも、お願いしたことを24時間365日、間違えることなく作業してくれると考えたら、使わない手はないですよね。自分のいる業界、部署の風土は変えにくいと思っておられる方も、RPAを使って小さな実績を作ってみると、大きな波を起こせるかもしれません。

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新たなテクノロジーを社内に浸透させるためには、使い方のレクチャーだけではなく、継続して使い続ける仕組みづくりやユーザーのモチベーションの維持が重要です。シミックソリューションズ株式会社では、研修や交流会、コンテストといった企画でうまく社内を巻き込むと同時に、従業員向けのITスキルロードマップを策定するなど、従業員のスキル向上への道筋を示そうと取り組まれている点が印象的でした。

今後もUiPathは、シミックグループをはじめとしたお客様への「Business Automation Platform」の提供により全社的な自動化をサポートし、日本におけるDX推進に貢献していきます。

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PR Japan

Team, UiPath

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