お客様キヤノンマーケティングジャパン株式会社

業種IT

地方アジア太平洋&日本

UiPathで業務プロセス自動化を推進、自社導入のノウハウを顧客提案へ積極的に活用

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外販

自社導入のノウハウを顧客提案に活用

32,000

RPAにより年間32,000時間の工数を削減

70,000

業務改善を含め年間70,000時間の工数を削減

キヤノンマーケティングジャパンが、2019年度までにおよそ100の業務プロセスにRPAによる自動化を導入した。同社では2016年よりRPAを利用しており、本格的な全社展開を図るために2018年3月に専任チーム「RPA推進室」を立ち上げた。現在、UiPath自社導入のノウハウを投入したITソリューションの開発と顧客企業への提案を積極的に推進中だ。

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CHALLENGE:成長戦略の加速とともに業務が複雑化

キヤノンブランド製品の国内販売・サービス・マーケティングを担うキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)が、RPAによる業務自動化の導入を全社で進めている。2018年3月には「RPA推進室」を立ち上げ、その後もITを活用する業務プロセス改善をより強力に推進する体制を整えた。マーケティング推進本部に設置されたBPM*推進部(RPA推進室から改称)を率いる磯村雅弘氏は次のように話す。

*BPM:ビジネスプロセスマネジメント

「BPM推進部は、業務プロセスの見直し、RPAを中心とするITツールの実装という2つのテーマを担うメンバーから構成されています。RPAのセンターオブエクセレンス(CoE)として導入・運用の全社ルールを策定し、RPA化すべき業務を適切に選定するとともに、業務部門に対する実際のRPA導入・運用サポートを行っています。当社では、2016年頃から部門主導でRPAを導入してきました。これを全社業務改革にレベルアップして、より戦略的かつ統合的にRPA活用の成果を追求していくことが我々のミッションです」

キヤノンMJは“イメージング&IT”ソリューションへの注力を掲げ、コア事業である映像・プリンティング分野を起点に、ITソリューション分野での成長戦略を加速させている。同社の強さを支えているのは、国内300以上の拠点と17のグループ企業が連携する高い機動力、幅広い商品とソリューション、きめ細やかなサービス・サポートである。

「お客様の課題解決のために製品やサービスを組み合わせる、ソリューション指向のビジネスが拡大しています。こうした変化が進む過程で、取り扱う商品や販売チャネルが急増し業務が複雑化していきました。そのペースに合わせて人材を増やすことはできませんし、今後ますます人材の確保が難しくなることも明らかでした。全社レベルで業務を見直し、生産性を向上させることが喫緊の経営課題となったのです」(磯村氏)

改革の切り札と目されたのがRPAである。そして、「BPM推進部が主導し、全社統一のルールの下で展開・活用していくのに最適なRPA」(磯村氏)として選ばれたのがUiPathだった。

SOLUTION:全社統一ルールでの展開に最適なUiPathを選定

UiPathは世界中の5,000社以上で採用されており、うち1,500社を日本企業が占めている。ユーザーインターフェースはもちろんサポートも日本語で提供されており、日本のユーザーコミュニティ活動も活発だ。優れた開発生産性と統合管理機能は、特に日本のユーザーから評価が高い。

「UiPathについては、BPM推進部がRPA環境を一元的にマネジメントできることをまず評価しました。全社レベルでRPAを展開して成果を追求していくためにも、RPAのブラックボックス化や適切にメンテナンスされないロボットの発生を防ぐためにも、UiPath Orchestratorによる一元管理と可視化は非常に有効です」と磯村氏は話す。

UiPath Orchestratorでは、UiPath Robotの稼働状況やトランザクションの進捗をダッシュボードから一元的に把握できる。UiPath Robotの構成管理、スケジューリングによるワークフローの自動実行、トラブルシューティング、ワークフローの世代管理なども可能だ。複数の部門で運用しているUiPath Robotの一元管理や、無人でRPA運用を行う環境では必須のツールと言える。

「UiPathに対する社内の評判が良かったことが、採用に至る最大の決め手です。複数の業務部門から、Visual Basicに近い開発環境の生産性の高さや、自己学習用コンテンツが豊富に用意されていることなどサポート面でも安心と聞かされたのです」と磯村氏は振り返る。

開発環境であるUiPath Studioでは、動作モジュールであるアクティビティを選んでつなぎ合わせる直感的な操作でワークフローを作成できる。高度なプログラミングの知識が必要ないことも、UiPath導入のハードルを低くしている。

UiPathでは日本市場を重視しており、日本市場向けの開発投資にも積極的だ。日本市場のユーザー向けサポートも充実させている。

BENEFIT:業務改善を含め年間70,000時間の効率化を達成

キヤノンMJグループが2019年度までにRPAを導入した業務は100件に達する。現在も常に10案件ほどのRPAプロジェクトを手がけているという。磯村氏は、UiPathの代表的な成功例として「保守契約決裁」「サービスパートナー向けレポート」の2つを挙げる。

「オフィス向け事務機の保守契約締結に際しては、決裁者は様々な情報を収集して総合的に判断する必要があります。そのための情報の収集プロセスに、UiPathによる自動化を適用しました」(磯村氏)

キヤノンMJでは非常に多くの保守契約を取り扱う。決裁に必要な情報を収集しドキュメントとしてまとめる作業は、東京・大阪に設置された専任チームが担当している。BPM推進部 RPA推進課でUiPathの導入支援を担当する佐藤利宏氏は次のように話す。

「4つの異なるデータベースを検索し、必要な情報を抽出して、決裁に必要なドキュメント一式としてPDF化するプロセスをUiPathで自動化しました。手順そのものはシンプルですが件数が膨大です。UiPathの導入により6人分、およそ12,000時間の工数を削減できました。また、UiPath導入の過程で、東京・大阪の担当部門での業務手順と品質の標準化を進められたことも大きいですね」

「サービスパートナー向けレポート」については、BtoBサービス&サポート本部の嶋澤健吾氏が次のように説明する。

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「これまで、事務機のサービスパートナーとの定期ミーティングで使用する報告レポートは、エリアサービス担当者が個社ごとに作成していました。1件あたりの作業に平均で2時間近くを要していたこの作業に、UiPathによる自動化を適用しました」

パートナーごとにフォーマットが異なっていたこと、報告書に必要なデータが複数のシステムに分散していたことが、作業を効率化できない大きな要因になっていたという。

「UiPath導入に際して可能な限りフォーマットの統一化を進めました。RPA自動化が可能な定型的な情報と、月次でカスタマイズできる自由書式のブロックを設けることで、レポートとしての品質を保ったまま作業効率を向上させることができました」(嶋澤氏)

開発を担当したRPA推進課の深作公英氏は、「報告書は20種以上のコンテンツを組み合わせて構成するのですが、掲載する情報を自由に選択できたり、定型情報であっても後から編集可能にするような工夫を組み込みました」と話す。

「サービスパートナー向けレポート」のUiPath自動化により、年間6,700時間以上の削減が期待されている。エリアサービス担当者はその削減時間を、パートナーごとに異なる重点施策のさらなる情報収集や資料作成に注げるようになり、ミーティングマネジメントの一助になっている。

業務改善とRPA活用を含めたトータルでの成果として、年間70,000時間の工数削減を達成しました。うち、32,000時間がRPA自動化による効率化の成果です。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 マーケティング推進本部 BPM推進部部長 磯村 雅弘 氏

NEXT:AIの活用、顧客向けソリューションへの展開へ

「業務改善とRPA活用を含めたトータルでの成果として、年間70,000時間の工数削減を達成しました。うち、32,000時間がRPA自動化による効率化の成果です」と磯村氏は手応えを示す。

UiPathは、データ集計の自動化による早朝勤務の削減や、定型業務におけるヒューマンエラーの解消など、それぞれの適用業務において着実に成果をもたらしている。

「これまでは人の判断を伴わない定型業務にUiPathを適用してきましたが、AIによる画像認識とUiPathを連携させた特定業務の自動化の実験を進めています。AI-OCRを活用した手書き文書の自動読み取り事例も増えてきました。お客様企業にすぐにでもご利用いただける自動化シナリオも着実に積みあげています」(磯村氏)

磯村氏とBPM推進部は、UiPathの自社導入で培ってきたノウハウを活かして、キヤノンMJグループ各社のUiPathライセンス販売、ビジネスプロセスアウトソーシング、コンサルティングなどについて、営業部門を支援する立場で積極的に関わっていく考えだという。磯村氏は次のように語って締めくくった。

「まず、業務全体を可視化してムダな業務を排除・標準化すること。次に、自動化による効果が確実に見込めるプロセスを見極めて、UiPathを適用することが成功のポイントです。UiPath導入は業務改善を達成するための手段であることを忘れてはなりません。適材適所での最適なツール選定、導入後に成果を高めていく取り組み、部門内に業務改善を文化として定着させることはさらに重要です。BPM推進部の最大のミッションは、こうした永遠に続く改善へのチャレンジだと思っています」

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