お客様Heritage Bank

業種銀行および金融サービス

地方アジア太平洋&日本

Heritage Bank: RPAとAIによる自動化の推進

Heritage Bankのお客様事例のヒーロー画像

98%

UiPathによって構築され、AI Centerにデプロイされた、Heritageの最新機械学習モデルの精度

90%

Heritageが生活費報告書を作成する際に達成するプロセス自動化のレベル

80

2017年以降に自動化されたプロセスの合計

オーストラリアに60の支店を有する同国最大の相互銀行、Heritage Bank 

オーストラリアで最も長い歴史を持つ金融機関の1つでもあるHeritage Bankは、顧客所有型の企業です。1875年に設立された長い歴史の中で、タイプライターからインターネットに至るまで、数え切れないほどの技術革新の波を目の当たりにしてきました。

さらに、近年ではデジタル化という新たな課題に直面しています。

今日、Heritageは、デジタルに精通したフィンテックのスタートアップ、純粋にデジタル化した「ネオバンク」、代替決済プロバイダーなど、新しいタイプの金融企業と競合しています。また、この業界はオーストラリアの好調な経済に目をつけたグローバルな金融機関との競争も激化しています。

デジタル需要に応える変革

3年前、Heritageでプロセス改善を統括していたデイヴィッド・ジョンストン(David Johnston)氏(現在はIntelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー)と彼のチームは、競争力を維持するために業務をモダナイズすべきだと考えていました。しかし、高度に規制された金融業界においては、簡単なことではありませんでした。

ジョンストン氏は次のように述べています。「Heritageはデジタル的な存在感を持つ物理的な銀行から、物理的な存在感を持つデジタル的な銀行へと変貌しつつあります。支店網は現在も拡大しており、当行のビジネスにおける重要な役割を担っていると考えています。しかし、デジタル化も推進することで、あらゆる場所にいるお客様と接することができるよう努力しています。」

他のすべて企業がそうであるように、Heritageも成長に伴う苦痛を経験しています。

成長の過渡期にある企業は、複数の異なる分野にまたがって規模を拡大していく必要があります。たとえば、口座数の増加とともに決済も増加することで、運用上の問題を引き起こす恐れがある点を考慮すべきです。そこで、バックオフィスやミドルオフィスのプロセスをデジタル化したり、拡張できるようにする必要があることに気づいたのです。そして、口座数の増加に対応できるよう、カスタマーサービススタッフの効率を改善することにしました。

デイヴィッド・ジョンストン、Intelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー

ここでジョンストン氏は、2つの重要な問題に触れています。顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の2つです。どちらも、ほとんどの企業にとっての最優先事項です。

これらの取り組みには、顧客と従業員を惹き付けて維持するための社内プロセスの最適化が含まれており、どちらも競争の激化する金融業界では極めて重要です。結局のところ、顧客はすべてのタッチポイントにわたってシームレスな体験を期待しているのです。同時に、従業員は技術の最先端を行く雇用主の下で働きたいと願っています。

今日の基準に即して言えば、自動化、人工知能、および機械学習は科学の進歩や革新の最前線に位置しています。しかし、自動化とインテリジェンスの需要が急増している一方で、多くの企業がそれらをワークフローへ実装することに苦戦しています。これはHeritageが自動化の検討を始めたときに遭遇した問題でもあります。

自動化の開発と実装を効率化するために、Heritageは某コンサルタントからRPA(ロボティック・プロセシング・オートメーション)という新しいソリューションの紹介を受けました。このソリューションには、パターンの発見、データのソート、顧客関係管理(CRM)データベースへの販売を促進する関連情報の入力など、反復するビジネスプロセスのタスクをソフトウェアで自動化する機能が含まれていました。

ジョンストン氏は、当初はRPAを懐疑的に見ていました。しかし、それが組織にもたらす真の威力を目の当たりにしたとき、彼はこの技術に心を奪われたのです。

ソリューション:UiPathのRPAプラットフォーム

Heritageは、Forrester Waveのレポートを参考にして複数の有力プロバイダーを検討しました。その結果、プロセスを迅速に自動化することでデジタルトランスフォーメーションを簡素化する企業のUiPathに着目しました。

ジョンストン氏によると、UiPathはすべての段階でチームをガイドし、アシストし、RPAがどのように機能するかを社内に説明するのを支援してくれたそうです。

2017年にUiPathの導入を開始して以来、Heritageは顧客対応、バックオフィス、ミドルオフィスに関する約80のプロセスを自動化することに成功しています。これらのプロセスは、運用、決済、金融犯罪、コンタクトセンターサービスなどの領域に広がっています。

現在、ジョンストン氏は、同社の一元化したRPA Center of Excellence(CoE)専属のRPA開発者の小チームを率いています。また、多くのビジネスチャンピオンが銀行全体に配置されています。彼らは協力してボットをトレーニングすることでビジネスプロセスを学習させ、それを自動化しています。

「これらのボットは、不正に関するアラートを中心に、銀行の基幹システムに情報を入力しています。」とジョンストン氏は説明しています。「さらに、CRMシステムに、決済や振込、住所変更などのさまざまな情報を入力しています。当行のロボットは、プロモーション、記念日、誕生日などの情報を社内イントラネットに投稿することまで行っています」。

実際のところ、Heritageの誰もがロボットのことを知っていて、実際に何をしているかをよく見ています。HeritageにはUiPathにまったく触れずに日々過ごしている人などいないでしょう。

デイヴィッド・ジョンストン、Intelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー

それでもHeritageがワークフローにAIを組み込んだのはごく最近のことなのです。

HeritageがAIとAI Centerにたどり着いた経緯

ここでHeritageがどのようにして最初のAIユースケースを決定したかを見てみます。

金融犯罪報告書

HeritageのAI導入は、まずRPAのユースケースから始まりました。

Heritageの金融犯罪対策チームは、法執行機関と協力して取引記録などのデータを作成していますが、これは銀行の基幹システムやCRMシステム、その他のアプリケーションから手動でデータを取り込むプロセスのため、非常に時間がかかっていました。

そこでHeritageは、UiPathを使用して、入力指示(時刻、日付、場所、取引種類など)を認識できるボットを作成しました。これにより複数のシステムからデータを引き出して警察への報告書をまとめることができ、面倒な作業に費やしていた膨大な時間を節約することができました。

「金融犯罪のユースケースは実にうまくいきました。」とジョンストン氏は語っています。「このようなリクエストは散発的に発生しますが、ボットに任せられるようになり、しかもこのプロセスは非常にスケーラブルなのです。」

チームがこのプロジェクトを完了させた直後、今度はローンの生活費報告管理を改善するようリクエストを受けました。そこでチームは金融犯罪報告の成功事例に習うことにしました。

生活費報告書

金融機関は、ローンを審査する際の生活費の調査を改善するよう、規制当局から圧力を受けていました。前回のユースケースと同様、このプロセスでも、複数のソースからデータを手動で取り込んでいました。

再び、ジョンストン氏のチームは、さまざまな場所からの大量データをフィルターにかけて、特定の種類の取引を探し出し、迅速に分類する方法を見つけ出さなければなりませんでした。そこでチームは、キーワードをピックアップして特定の取引を自動的に分類できるルールを構築しました。当時、このシステムで取引の約40~50%を分類することができました。つまり、まだ大量の手作業が残っていたのです。

この時点で、Heritageはまさに機械学習という課題に直面することになりました。チームは、彼らが慣れ親しんでいるよりもはるかに大量の取引を分類する方法を探す必要がありました。ここでUiPathチームは協力を求められ、カスタム機械学習モデルの構築とテストを支援することになりました。この際にUiPathがAI Centerプラットフォームを利用したことから、HeritageでAIが広く使われることになりました。

AI Centerは、データサイエンスとRPAのチームがAIをRPAワークフローに即座に適用できるようにするツールです。このツールには、ドラッグアンドドロップ機能、独自のモデルとカスタムモデル、モデルのバージョンアップや更新、パフォーマンスの更新に関するエンドツーエンドの可視化機能などが備わっています。

Heritageにとって、その結果は目覚ましいものでした。AI CenterとUiPathのカスタムモデルの助けを借りて、生活費報告書を作成する際のデータマイニング処理の約90%を自動化する作業が順調に進んでいます。

「12か月前、このプロセスには、1件のローン申請に対して1時間もの手作業が加わっていました。」とジョンストン氏は回想しています。

約1,000件のオンライン申請を処理していますが、そのうち既存顧客からの申請は半分以下です。したがって、パイプライン経由で500件のローン申請を処理するには、500時間の手作業が必要になります。これが原因で、ローン申請プロセスに重大な遅れが生じていました。

デイヴィッド・ジョンストン、Intelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー

現在、金融機関の従業員は、UiPathのおかげでより多くのローンに取り組む時間が取れるようになりました。また、ローン申請の処理も格段に早くなったことで、結果としてHeritageのCXとEXの改善につながったのです。

可能性がある他のAIユースケース

ジョンストン氏は、金融犯罪や生活費評価以外で、チームが追求できる機会を見つけました。それらを以下に挙げます。

  • 検証の自動化 : 返送文書の検証は非常に時間のかかる作業です。文書の分類にAIを使用すれば、このプロセスを効率化することができます。

  • 顧客管理 : Johnston氏によると、データ品質を改善する機会は数多くあるとのことです。たとえば、顧客離れのパターンを特定し、誰がなぜ離反したかを分析することで、プロバイダーは改善に役立てることができます。

  • カスタマーサービス : 企業はAIを使用して次善の提案(Next Best Offer)を作成し、エージェントがより効果的に対応できるようにします。AI Centerを使用してモデルを取得し、データを収集することで、コンタクトセンターのエージェントが顧客と会話をしている間に、Attendedボットを介してそれらの情報をエージェントに迅速に返すことができます。

AIで自動化する際に予想される一般的な障害

RPAとAIに没頭しているジョンストン氏だからこそ、自動化を検討している金融企業に対して、障害を克服する方法を説明することを通じて賢明なアドバイスをすることができました。

1. 資金の取り合い

単に、企業には自動化やインテリジェンスに投資する資金が足りないのです。

「相互銀行に特有の課題が資金の取り合いです。」とジョンストン氏は説明しています。「相互銀行では、Tier1資本を増加させる唯一の方法は内部留保によるものです。そのため、費用対効果が高く、効率的な方法で自動化する必要性が高まったのです。結局は、技術に投資するすべてのドルは、銀行ローンの貸付高を増やすために投資することができないお金になります。そのため、他のほとんどの組織よりも投資と成長のバランスをしっかり取ることが求められるのです。」

2. 最高の人材を発掘する    

今日、ほとんどの金融企業が利用しようとしているタイプのデータ分析には、平均的な開発者のスキルセットを超えるレベルが求められます。専門のエンジニアとデータサイエンティストが必要ですが、どちらも募集するのが難しく、雇用と維持に多額のコストがかかります。そのため、現在では、データサイエンス、自動化、人工知能のスキル不足が世界的に深刻であり、自動化を大規模に実装する際の障害となっています。

3. 組織体制

大半の企業では、データサイエンスとRPA自動化チームは、互いに独立して業務にあたっています。そのため、プロジェクトを共同で進めるメンバーを集めることが困難です。

「通常は、データサイエンスチームと自動化チームは切り離されているのです。」とジョンストン氏は話しています。それでも当行では、両チームともCFOの配下に属しています。これはある意味では少し珍しいことです。当行では、IT、財務、運用の各部門内にデータチームと自動化チームがあります。これらのチームは、それぞれが銀行内の他組織における戦略的な位置づけでもあります。したがって、2つのチームが一緒になって同じ問題に取り組むことは難題なのですが、それは私たちがあまり考える必要がなかったことでした。自動化の観点から言えば、ほとんどの組織が少なくとも数年間は忙殺されるような、難易度の低い比較的シンプルなルールベースのプロセスが山ほどあるのです。」

4. MLモデルの実行

AI Centerは、機械学習モデルの配信システムとして、機械学習モデルを実稼働化し、ビジネス価値を導き出す支援をします。通常、代替ソリューションは非常に複雑で高価であり、サードパーティソフトウェアをインストールする必要があります。

これは、企業がAIを実装して規模を拡大する際に直面する最大の障害の1つになります。一般的にデータサイエンティストは、持ち時間の約25%をモデルの展開に費やしています。その時間を節約できればユースケースの理解とモデルの構築作業に充てることができます。

自動化の再考

Heritageのジョンストン氏と彼のチームメンバーは、UiPathソリューションに大変満足しています。ジョンストン氏によると、特にAI Centerは非常に親しみやすく、柔軟性があり、あらゆる種類の自動化に使用できます。

数字で見る

  • 98% :UiPathが構築し、AI Centerに導入されたHeritageの最新機械学習モデルの精度

  • 90% :Heritageが生活費報告書の作成で、プロセス自動化を達成した水準

  • 80 :2017年以降に自動化したプロセス数

UiPathは、Gartnerのハイパーオートメーション企業として技術的に分類されていることも特筆すべき事柄です。Gartnerは2020年の戦略的テクノロジートレンドのトップ10にこの分野を挙げています。言い換えると、UiPathは複数のプロセス自動化コンポーネントを組み合わせることで、作業の自動化を可能にしているのです。 UiPathは、AIソリューションの多様なポートフォリオを提供しているからこそ、お客様はより多くのプロセスを自動化することができるのです。たとえば、UiPathは文書理解、コンピュータビジョン、プロセス理解のためのソリューションを提供しています。

現実として、RPAの調査を始めると、チャンスは非常に大きく、統合の問題も一般的に非常に大きいことがわかります。だからこそ自動化は実際に成長するための極めて戦略的なプラットフォームになるのです。 そして、UiPathが提供するさまざまな方法でAIを使い始めると、自動化の観点から追求できるプロセスの種類は確実に広がっていきます。

デイヴィッド・ジョンストン、Intelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー

RPAチームは、AIとRPAを組み合わせることで活用できる機会の種類について、より広範に検討すべきだ、とジョンストン氏は続けます。同時に、もっと多くの企業が自動化主導のデジタルトランスフォーメーションという考え方を受け入れる必要があるのです。

「自動化とデータサイエンスのスキルを向上させ、育成する必要があります。」とジョンストン氏は強調しています。「広範で組織的な考え方へシフトしていく必要があります。」

ヒント: 成功するためのソリューション提供に注力

同時に、AIガバナンスを超えた考え方が重要だとJohnstonは語っています。この技術が普及するためには、経営幹部や管理者が実践的な成果をもっと目にすることが必要なのです。

ソリューションを提供し続けることが大切で、そうすればAIガバナンスの話題が減り、AIを提供する話題が増えるようになります。

デイヴィッド・ジョンストン、Intelligent Automation and Process Excellence担当マネージャー

PwCの調査によると、約20%の企業がAIを大規模に導入する予定だと回答しています。2019年には、会社全体にAIを導入する計画があると答えた企業は約4%に過ぎず、多くの企業は試験導入の段階で行き詰まっていました。これは主に、プロジェクトを拡大する前に、AIの基礎を理解することに注力する必要があると考えているためです。その結果、多くの企業が空回りし、結果を出せずにいます。

最高の結果を得るには、企業は1つのユースケースから始めて、そのプロセスの基礎とビジネスへの影響を学び、そのプロセスを他のユースケースに理路整然と展開することを検討すべきです。

デジタルトランスフォーメーションでは、これを「lighthouse(ライトハウス)」プロジェクトと呼んでいます。このコンセプトは、新しい技術を試験的に導入し、さまざまな環境で 「lighthouse」を戦略的に展開することです。

何を自動化するか?

このように、AIを活用した自動化は、平均的な組織にとって手の届かないものではありません。それは、規制が厳しく競争の激しい業界で運営している従来のリテールバンクのような企業にとっても同様です。

貴社における自動化可能な業務とはどのようなものか、ぜひ一度考えてみていただければと思います。UiPathのAI Centerの詳細についてはこちらをご覧ください。

関連事例

NTTドコモ

顧客事例

株式会社NTTドコモ
テスト自動化が支える、アプリ配信基盤のモダナイズ
顧客事例を読む
smtb main Main Image

顧客事例

三井住友信託銀行株式会社
信託銀行特有の少量多品種の業務にRPAを適用
顧客事例を読む
住信SBIネット銀行株式会社 Main Image

顧客事例

住信SBIネット銀行株式会社
2度目のチャレンジ、UiPathのRPA導入で成功に導く
顧客事例を読む

貴社がお客様事例になる準備はできましたか?

知識豊富な専門家のチームと話し、RPAからどのような利益が得られるかご確認ください。