お客様株式会社三越伊勢丹ホールディングス / 株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ

業種小売

地方アジア太平洋&日本

RPAプロジェクトの成功の鍵は実務担当者との役割分担にある

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グループ年間売上高1兆2000億円超を誇り、国内だけで12社百貨店24店舗、専門館6店舗を展開する三越伊勢丹グループでは、これまでエクセルなどで行われてきたバックオフィス業務のRPA化に取り組んでいる。約1年にわたる実証実験を経て、2018年4月には専任チームも発足して本格的な導入が始まった。これまでの経験をもとに導入ガイドラインも作成され、人手不足に悩む地方を含めたグループ全体に向けた準備が進みつつある。

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IMHDS Case Study Solution Overview

「エクセルマクロ」は厄介な問題  RPA導入への期待が高まる

2017年4月、三越伊勢丹ホールディングスの情報システム部門長にRPAの紹介があり、システム子会社の三越伊勢丹システム・ソリューションズ(IMS)が検討することになった。百貨店の売り場を支える後方部門でも、共通する基幹系の業務はシステム化されている。それを支えるのがIMSの役割である。

「それぞれの現場特有の細々とした業務の多くは、依然として紙ベースで進められています。それでも対応し切れないものについては、現場のITリテラシーのある人たちがデジタル化していました。エクセルマクロがその典型です」とIMSのエンジニアリング統括部改革マネジメント担当シニアマネージャーの唐沢猛氏は語る。実は、このエクセルマクロの扱いは、厄介な問題だった。

「現場の人が作ったエクセルマクロは、系統的に作られていない“デジタルのかけら”です。その解決策として注目したのがRPAです」(唐沢氏)。

同社は早くも2017年5月には実証実験を開始しているが、実証実験はUiPathをメインに行った。UiPathを選んだのは、エクセルマクロと同様の事態を避けるためだ。「コーディングによりカスタマイズできるUiPathであれば、現場が勝手に作り出せずIMSが保守・管理しやすいはず」(唐沢氏)という思惑があった。

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IMSエンジニアリング統括部 改革マネジメント担当シニアマネージャー 唐沢 猛氏

 

今後の展開を見据えるために特性の異なる3部門で実験を行う

UiPathを使った実証実験では、グループ全社から3つの部門を選んで、それぞれひとつの業務を対象にロボット化した。協力を依頼した部門は、現場に最も近い商品管理部門と持ち株会社の財務経理部門、そしてIMSの人事労務部門。実証実験後の横展開を見越して特性の異なる3つの部門を選んだ。

ロボット化の対象となった業務は、商品管理部門では、情報分析システムから計数を抽出してエクセルファイルに落とし込む月報などレポート類の作成業務、財務経理部門では、三越伊勢丹が取引先に支払う手数料の算定業務、人事労務部門では、働き方改革の一環で必要となった出退勤時刻とPCの起動終了時刻の乖離の集計業務だ。

 それぞれの業務は、基幹システムからデータを取り出してエクセルシートに入力したり、手計算でデータ加工をしたりするなど、どこかで人手が介在していた。しかも、それなりの業務量だ。実証実験を担当したエンジニアリング統括部デジタル推進部デジタルフロントグループの坂上勇樹氏は「情報分析システムを使ったレポート作成の場合、商品管理部門だけで年間約80人月もかかっていました。正直、それほどの業務量になっているとは知りませんでした」と話す。

 約3ヶ月間の実証実験から、RPAには高い導入効果が見込めることがわかった。経営陣からも「予想以上の効果」という評価を得た。ツールとしてのUiPathも「カスタマイズ性が高く、ロボットの作り手として使いやすい」(坂上氏)と高く評価されている。

 一方で課題もあった。唐沢氏は「ロボット化した現場の保守をIMSが一手に引き受けるのかどうか。全国に展開することを考えると、あらかじめ進め方を決めておかなければなりません」と説明する。

 そこで同社では、2017年度下期に3部門の業務を深掘りする形で部分展開してさらにノウハウを蓄積、知見を深めて本格導入につなげるというステップを踏むことになった。

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IMSエンジニアリング統括部 デジタル推進部デジタルフロントグループ 坂上 勇樹氏

 

7つの業務のRPA化だけで2,000時間強の削減効果

約半年間にわたる部分展開は、IMSの4名のメンバーによりロボットの開発が進められ、多くの手応が得られた。「3部門の7つの業務の対応を完了した時点で、想定される年間削減効果は2,000時間を超えました。14人月に相当します」と唐沢氏。

こうして効果を確認した同社では、2018年4月に専任組織を改めて編成し、RPAの本格導入への取り組みを開始した。「デジタルフロントグループの中にRPAのチームを作って、これまで開発してきたロボットの保守を行うとともに、適用範囲を広げることになりました」と責任者であるエンジニアリング統括部デジタル推進部デジタルフロントグループ長の岩佐忠明氏は話す。デジタルフロントグループとしての守備範囲は広く、RPAだけでなく、スマートフォンアプリから伝票管理システム、申請承認などのワークフローシステムまで担当する。

 RPAチームは、これまで開発してきたロボットの保守とともに、新規のロボットの開発を手掛けることになった。対象部門も、不動産事業部門、新規事業の定期宅配部門、商品戦略部門が加わった。「今年度中に新規に開発するロボットの目標数は30強。IMS3名とパートナー4名の体制で臨む」と岩佐氏は意気込む。

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IMSエンジニアリング統括部 デジタル推進部デジタルフロントグループ長 岩佐 忠明氏

ロボットの単位を細かく分けて追加要望に臨機応変に対応する

 同社が今直面しているのは、開発したロボットのメンテナンスの問題だ。グループ会社とはいえ別会社であり、リモートでユーザの環境に入ることはできない。そのため、新しいモジュールに差し替えた後にエラーが発生した場合、IMSのメンバーが現場に赴き、オンサイトでのメンテナンスが必要となる。

エンジニアリング統括部デジタル推進部デジタルフロントグループの友松彩佳氏は「エラーが発生した際には実機で確認しないと、原因の切り分けができません。頻度が多ければ、大きな負担になります」と語る。

原因の多くは開発したPCの性能やネットワーク環境と本番環境との違いにある。「適用先の画面の描画のスピードが遅いために、ロボットが誤動作してしまうケースやマシンスペックの違いでエラーになるケースが発生しています。曜日や時間帯によってネットワークのレスポンスが変わることもエラーの原因になります」と友松氏。

 それを回避するためにエラーが起きないようにロボットを作ることが必要になる。ロボットの単位を細かく分けて、追加要望に臨機応変に対応できるようにしておくことも、混乱を避けるコツだ。

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IMSエンジニアリング統括部 デジタル推進部デジタルフロントグループ 友松 彩佳氏

 

導入ガイドラインを作成しユーザの理解の促進を図る

これまでの試行錯誤を通して、同社ではRPAに関するノウハウを蓄積しつつある。ポイントは、実務担当者の関わり度合いだ。坂上氏は「これまでのシステムとRPAの違いをユーザに理解してもらって、共感を持って一緒に取り組んでもらうことが成功につながります」とユーザとの協業の重要性を強調する。実際に早い段階から実務担当者が参画し、事前に業務整理ができていたケースではスムーズにRPA化が進む。

現在ではこれまで得られたノウハウをもとに「導入ガイドライン」を作成し、導入にあたってユーザの理解の促進を図っている。マネージャーと実務担当者のセットでの参画、ユーザ側での業務マニュアルの作成、プロトタイプや試運用での役割分担など、ユーザへの依頼事項がまとめられている。

岩佐氏は「今後、地方展開を進めるためにも、現場の人たちにしっかりとRPAについて理解してもらうことが重要です。啓蒙活動にも力を入れていきます」と語る。

同社のRPAの活用は、グループ全体の働き方改革の一環としても位置づけられている。今後の展開が楽しみだ。

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