お客様加賀市

業種公共

地方アジア太平洋&日本

人口減少時代にイノベーションシティを目指す加賀市 切り札にUiPathのRPAを採用

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日本全国規模で進む人口減少や働き方の多様化などを背景に、業務量に応じた適正な職員数の確保が困難な自治体が増えている。加賀市では、革新技術を活用して過大化する市職員の業務負荷を低減し、市民へのサービスレベルを向上させることを目指している。同時に、「未来を切り開くイノベーションシティ」というビジョンを掲げ、企業誘致や民間企業の模範になるべくRPAの導入を決定した。ここでは加賀市のRPA導入プロジェクト立ち上げの経緯や、今後の取り組みについて紹介する。

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【課題】業務量適正化とイノベーション推進で守りと攻めを同時に実現

加賀市がいち早くRPAの導入に踏み切った背景には、人口減少・少子化・高齢化という課題に対応する「守り」と、イノベーションシティというビジョンを実現する「攻め」の2つの要素があるという。

「守り」としては、まず地方創生の大きな流れの中で地方自治体に独立した権限を移譲したことによって、各自治体の中で新事業への取り組みが始まり、結果的に市職員の業務量増大に繋がりやすいという事情に対応する必要がある。また、人口が減少していることにより、多くの地方自治体がそうであるように加賀市でも必要な人員の確保が難しくなっており、職員の負荷が高まっているという課題にも対応しなければならない。

そこで、「守り」の業務量の適正化と「攻め」のイノベーションの推進を同時に実現する、RPAを活用して業務の自動化による負荷低減を図り、その恩恵を更に付加価値の高い市民サービスの提供に繋げるべく、プロジェクトが開始された。プロジェクトは地域振興・産業創出が模索されている中で、ITを核とした業務の効率化・市役所内の煩雑な業務の自動化による生産性向上を目的に導入というところからスタートした。加賀市政策戦略部イノベーション推進課の寺岸良泰氏はその狙いについて「RPAを職員が業務に活かしながら最終的には地域の企業にそのノウハウを展開して普及させていきたいという想いがある」と語っている。

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政策戦略部 イノベーション推進課 寺岸 良泰 氏

【ソリューション】RPAの強みを活かし、異なる管理組織体のシステム間連携も自動化

政策戦略部政策推進課の細野幸司氏によると、RPAの効果検証には4つの業務を選定したという。選定するポイントとなった共通点は、従来からの方法では自動化し難い業務手順であること、または業務上の事情があったプロセスであることだ。

なかでも興味深いのは、契約管理システムと電子入札システムの相互連携事務である。前者は加賀市で管理するシステムであるのに対し、後者は石川県が管理するクラウド型のシステムである。そこで、キー情報、コード値の変換も含めて一方から情報を取り出して一旦保存し、もう一方に登録するという手作業による連携業務を実施する必要があった。しかし、県のシステムがいつ更新・変更されるか分からず、もし変わったらそれに市のシステムも対応し、必要ならば変更しなければならない。また、連携するシステムを作ろうとすると、データベースにアクセスして良いのかなどの確認を含めて大掛かりな作業になる。さらに、2つのシステム自体、開発元の会社も違うという。RPAなら連携業務そのものを自動化するだけで、どちらのシステムも変更不要で、システム更新などがあっても簡単に変更できるのがメリットだ。

ソリューションの選定においては、複数社のソリューション比較、機能比較を行った。その上で、「UiPathがもっとも加賀市がやりたかったことに適しており、スモールスタートが可能で汎用性が高く、作り込みについても他社より優れていると判断した」(細野氏)

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政策戦略部 政策推進課 細野 幸司 氏

【導入効果】全体で73%の削減効果を確認、高付加価値業務へのシフトを見据える

今回第1段階として選定された4種の業務全体の効果検証では、73%削減という試算となった。具体的にはそれぞれ、時間外勤務集計業務では81%の削減、契約管理システムと電子入札システムの相互連携事務では87%の削減、財産貸付・使用許可事務では74%の削減、工事検査情報自動連携事務では50%の削減にとなるという。システムによってはRPAでの自動化ではなくシステムの改修によって実現するという選択肢が考えられる内容もあったという。しかし、コストの概算、初期費用の規模感などを含めて比較した結果、「RPAで自動化するのが最もメリットが大きいと判断したところもある」(細野氏)そうだ。

今後更に期待されているのは、削減されたマンパワーを新たな市民サービスに直結する業務に注力し、付加価値を高めることができるようになることだ。「例えば、高齢者障害者向け福祉サービスや子育て支援の施策などを見据えている」と、加賀市政策戦略部イノベーション推進課の松谷俊宏氏は語る。「RPAの導入で雇用を奪われるというような意識はない。自動化することで人間にしかできない、今まで以上に付加価値の高い仕事を生み出すという考えが大事だ」とも語る松谷氏。世間一般で議論されている傾向とは異なる印象的な話だった。

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政策戦略部 イノベーション推進課 松谷 俊宏 氏

【今後の展望】高付加価値化もイノベーション推進も、市民サービスの向上のため

加賀市では、今後はRPAの適用範囲を部内の定型業務から窓口業務のような市民サービスに直結する分野に拡大していく計画を持っている。更に導入効果を高めつつ、より広く市民にまで恩恵を伝播させるのが狙いだ。IoTもAIも、市内の企業を元気にするツールだ。それらのツールをどう活用して事業拡大や業務効率化に繋げるか。「先進的な取り組みをすることで、良い技術を持っている企業が加賀市に興味を持ってくれるのも嬉しい」と松谷氏は語る。加賀市のイノベーションセンターには3Dプリンタなどの最新技術を試せる施設もあり、将来的には活用に前向きな企業向けのRPAの講義なども考えたいという。

日本全国のRPA導入を検討している自治体向けのアドバイスとしては、導入時、業務の自動化を適用する際、手順や環境が各システムに依存していて影響が及ぶ範囲が大きいという点を配慮しながら進めることが大事だという(細野氏)。例えば今年の改元対応など、その時その時に起こる事象への対応が求められる。また、適用する業務内容と手順を担当者にヒアリングする際には、思った以上に異なる手順が相互に影響する点があり、それはインタビューだけではすぐに洗い出せないものであったという。担当者が全体の洗い出しをすぐにできないのは、無理もない話だ。このため、最初に開発内容を厳密に定義し作業に取り掛かると、手戻り作業が出てくる可能性が高くなる。「一概には言えないかも知れないが、上流工程から下流工程に段階的に移行していく、いわゆるウォーターフォール型の開発ではなく、必要に応じて素早く対応するアジャイル開発のような、作っては検証するというサイクルを繰り返す方法がRPA開発には向いているのではないか」と細野氏は語る。RPAにおける開発プロセス考察という観点で、非常に参考になる視点であろう。

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