お客様YKK Vietnam Co., Ltd.

業種製造

地方アジア太平洋&日本

グローバル統一のツールにて、何十万件の商品注文作業を自動化

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ファスナーの生産拠点としてビジネスを拡大しているYKKベトナム社は、少量多品種な製品を取り扱っている製造現場において日々非常に細かく単純な作業に追われていた。そこで現場スタッフを単純作業から解放し、業務の効率化に向けてRPAの導入・活用を始めた。ここではベトナムという土地柄ならではのRPA導入経緯と取り組みについて紹介する。

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YKK Vietnam Case Study Solution Overview

【課題】何万種の商品と異なるフォーマットに応じた入力作業

YKKベトナム社は、ファスナー事業とアルミサッシの建材事業を手掛けるYKKグループにおいて、ファスナーの生産を行っている主要拠点の1つだ。YKKはグローバルに事業を展開しており、北中米、南米、EMEA、中国、アジア、日本の6つのブロックに分け、約80ヶ国で地域ごとの特色を活かしながら各社が主体となり事業を進めている。YKKがベトナムに進出したのは1998年のことだ。YKKのビジネススタイルとして、お客様の進出した国に外から持ち込むのではなくお客様拠点の近いところに工場を作り、現地で資材を調達し、現地で部品を製造し、供給していくといった一気通貫したビジネスを展開している。そうすることで、「より良いものを、より安く、より速く」を実践し、確かな価値をさらに多くの顧客、そして社会へ提供し続けている。

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YKKベトナム社 DIRECTOR 敷田 透 氏

YKKベトナムの事業はアパレル・かばんに使用するファスナーの製造が中心で、ベトナムは製造大国中国に次ぐ第2の製造拠点として政治的、経済的問題を含め、中国を補完する国として注目されてきている。また多くの外資系ブランドが製造拠点としてベトナムに進出してきており、ここ数年でさらに需要の拡大を見込んでいる。ベトナムのビジネスが急成長する中、YKKベトナム社の抱える問題についてYKKベトナム社 社長 敷田 透氏は次のように説明する。「ファスナーの生産は少量多品種です。ファスナーの種類、幅、ロゴの名前、何万種類にも及ぶ色などの組み合わせで注文は複雑です。それを電話、メールなどでくる注文内容を確認してシステムへ入力する作業が長年続いていました。その膨大な入力作業により繁忙期には毎日残業を余儀なくされるスタッフもおり彼らのことがいつも気になっていました。現場のスタッフに単純作業から解放し、当たり前の人の幸せ、労働の幸せを感じられる環境にしたいと常々思っていました」

【ソリューション】ユーザーが自分自身で使えるツールとしてUiPathを採用

2016年12月に最初はUiPathではない別のRPAツールが導入され、受注業務で大幅な工数削減を実現したもののRPAとしての十分な効果を得ることはできなかったという。その理由の1つにユーザーインターフェースの問題があった。当時使用していたツールでは、エンジニア向けのインターフェースになっていて、その使い勝手の悪さから導入が進まなかった。ベトナムではIT人材が逼迫していることに加え、RPAだけでIT人材を確保するにはIT意識の高いエンジニアには満足のいく環境ではないと考えた。そして、求められるのはユーザーが自分で使いこなせるユーザーフレンドリーなツールだった。(三戸氏)

時を同じくしてYKK株式会社はグローバルで複数存在するRPAツールを統一すべく、社内標準化を目的にUiPathの採用を決めた。そして、2018年7月にYKKベトナム社でもUiPathの採用を決定した。UiPathの特徴について三戸氏は次のように説明する。「エンドユーザーが扱いやすいユーザーインターフェースに加えて、動画での自己学習環境も用意されており、価格も既存のツールよりリーズナブルでした」

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YKKベトナム社 OPERATION MANAGER 三戸 芳和 氏

【導入効果】90%以上の作業時間削減と短納期の実現

アビームコンサルティングの設計・開発の協力により、YKKベトナム社のUiPathでのRPA導入は瞬く間に全社的に広がりをみせた。自分のリソースを単純作業に充てるのではなく別の業務にリソースを割けるのは非常に良いという話が広がり、工場や他部署にも適応していこうと、実質的な導入が次から次へと進んだと三戸氏は説明する。また、敷田氏がずっと頭を悩ませていたオーダー入力作業は、お客様によって異なるオーダーフォーマットで明細件数にすると何十万にも及び、その入力作業は膨大な量となっていた。それをRPAに置き換えることによって、90%以上の作業時間の削減と結果的に納期短縮にも繋がるという定量的な効果を生み出した。

ここ数年、急成長を遂げるYKKのビジネスのなかでYKKベトナム社は圧倒的な伸びを示した。その状況下で、定性的な効果について敷田氏は次のように述べた。「経営の観点から言うと、働きやすくなったのは間違いない。RPAを入れてなかったら大変なことになっていたと思います。その膨大な入力作業に嫌気が差し退職者が出て人手不足になっていたかもしれません。それを、人もそれほど増やす必要もなくその分社員にも還元できたのでとてもよかった」

また、システム化するのではなくRPA導入のメリットについて三戸氏は次のように説明する。「YKK側で統一したオーダーシステムを作ればいいという話もありましたが、その場合お客様に相当な負荷を与えてしまう。しかし要件定義をして社内稟議を挙げて、システム開発に莫大な資金と時間をかけるシステム化に比べて、RPAであれば、ちょっとやってみようという感じで進められるので非常にやりやすい」

【今後の展望】ロボットコンテストによってRPAに対する理解を促す

ユーザー側では、与えられたものを何となく使っているのではなく、より能動的にユーザーがRPAをもっと理解して活用してほしいという狙いで、RPAのロボットコンテストを実施している。ユーザーからエントリーしてもらい、コンテスト参加者にRPAの概要やどのように要件定義して作るかなど、上司からの強制ではなく、自分でリクエストしてロボットが動くという流れをコンテスト経由で体験してもらうことによって、RPAの良さを知ってもらいたいという想いがこのロボットコンテストには込められている。

今後の事業について敷田氏は、「事業拡大は必須要件です。ベトナム北部のマーケットへの強化や、ベトナム社だけではなくインドシナの弊社グループ会社への協力体制を広げることで、社員が色んな場所で活躍できるような形にしていくことこそがRPA導入の真骨頂です。業務改善・効率化をして、新規ビジネスに人を活かしていく場の提供をするために、一日でも早くもっと多くのことを実現する必要があると思っています」とYKKベトナムで働くスタッフとビジネスの未来を見据えている。

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