RPAは、一貫したプロセスを経て、潜在能力を最大限に発揮します。UiPathはそのプロセスを、組織が長期にわたる企業目標を達成することができるよう、バーチャルワークフォースが展開されるジャーニーであると考えます。
RPAを短期的なプロジェクト(おそらく処理経費削減のためか、正確性向上のため)と考えてしまうと、通常、十分に発達した健全な実装で得られるメリットが得られなくなってしまいます。
企業はRPA作業に取り組むことで、「企業規模の基礎の上にテクノロジーを計画してその計画を実行」、「連携されていない業務、アプリケーション、データの統合」、「適応、拡張するための内部機能を構築」、そして最も重要なのは「ビジネス価値の生成と競争優位の確立」を実現することができます。
RPA will reach its full potential at the end of a
consistent process. We like to think of it as a journey,
one in which a virtual workforce is deployed by the organization to help achieve its long range corporate
goals. Considering RPA a short term project (perhaps to cut
process costs or increase accuracy) will hold back some
of the benefits a fully grown, healthy implementantion
usually provides.
周到な準備はいつにおいても、ジャーニーに成功をもたらす鍵となります。これに、例外はありません。なぜなら、組織は円滑なプロセスの構築に向けて会社のリソースを調和させ、将来の計画を立てる必要があるからです。この準備段階における重要要素は次の通りです。
RPA作業の基礎となるものは、ビジネスとIT間の強力な結び付きと調整です。ビジネスサイドは初期目標に焦点を当て、プロジェクトを先導します。初期目標とは、ビジネス価値を生み出し、運営費を削減して、競争優位を確立することです。ITサイドでは、将来性を考えた拡張性と高速展開に従い開発し、エンタープライズアーキテクチャとコンプライアンス基準を満たすことを念頭に置きつつ、目標を達成するための取り組みに従事します。
作業中は常に、組織の戦略的な方向性と整合が取れていなければなりません。そうでなければ、プロジェクトが優先順位の低いアクティビティへと逸れてしまい、オートメーションを最大限に活用することができなくなってしまいます。その最大の可能性を発揮するためには、専任の経営幹部レベルが、効果的な採用と予算編成を擁護することでジャーニーを先導する必要があります。
最有力の実装マネージャーを選出しなければならないため、リーダーシップは極めて重要となります。キーパーソンとなるこの人物は、重要項目に焦点を置き、概念実証において次の項目を満たす最も有利なプロセスを選出していきます。明確に文書化されていること。合理的にハイボリュームであること。反復的で規則に基づいていること。
作業は企業ごとに特有で、戦略的な優先順位を反映したものとなっています。タイムラインもまた企業ごとに異なり、プロセスの複雑さ、リソース提供、またコンプライアンス要件に従い様々です。しかしUiPathでは、次の4段階は全てのRPA作業に共通していると考えます。
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最初のステップは、どのようにRPAが成功を後押しするかを確認するだけではありません。これは、組織が実装モデルにおいて果たすべき役割、必要なオートメーションパートナーシップ、そしてパートナーを決定するための段階でもあります。
概念実証における基本的な活動:
POCの実施
組織におけるRPA実装モデルを定義
オートメーションチームの構築
オートメーションパートナーの選出
フレームワークの開発: 展開、コミュニケーション、ガバナンス
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この時点で、自動化されたプロセスは組織の実装モデルに従い初めての製作を開始します。つまり、組織とRPAパートナーは選定されたプロセスに対し、定義された要件、詳細なソリューションデザイン、テストスクリプト、そしてカットオーバー/引き継ぎ計画を適用する段階です。
パイロット実証は、完了基準に従い監視します。さらに、社内外の全てのステークホルダーに調査を行い、フィードバックを得ます。ここで得た情報は、強化に進む前の段階で、学んだ教訓を書類化し、方法論とフレームワークを改訂するための基礎となります。
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このステップにおける主要なフォーカスポイント:
新しく展開されたバーチャルワークフォースの管理を最適化すること
ベストプラクティスの確立
自動化における追加プロセスを確認すること
社内のオートメーションチームとその専門知識の成長を継続すること
強化フェーズの間、専任者はRPA実装の組織内における機会の特定を加速し、また、さらに幅広いビジネス対象ユーザーにプロセス自動化の成功例を紹介する活動に注力していきます。
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最終ステップにおけるポイントは、ロボティックプロセスオートメーションを組織内の基本的な活動としてベストプラクティスを確立することです。具体的な例の一つにガバナンス会議があります。会議の目的は、プロセス自動化のパイプライン需要の管理、エラーのリカバリと事業継続計画、オートメーションチームとのリーンシックスシグマに基づいた継続的な改善です。
上記の実践を組織文化に取り込むだけでなく、全事業内容にわたるキーパフォーマンス目標としてRPAを推進しつつ、既存の実装に基づいたRPAの利点を継続的に伝えていくことも大切です。
このような自動化作業の基本的なステップを読んでみると、多くのRPA実装が期待外れの結果に、あるいは完全な失敗として終わるケースが多いように感じるかもしれません。私たちが初めてお客様と仕事をし始めた時は、こうしたケースが多いように感じました。以下は、私たちが過去の経験から割り出したRPA実装における注意事項です。
複数のベンダーのRPAツールは、シンプルなワークステーションロボットから複雑な企業用ソフトウェアへと急速に進化しました。しかし、多くの組織では、選出したベンダーがITとビジネスアーキテクチャの要件を満たすことができず、RPA技術の認知度はなかなか上がりませんでした。ITアーキテクチャ: アーキテクチャ基準に適合するための新しい技術がIT部門に必要であるといった、一般的な認識があります。技術の例としては、オープンで拡張ができるもの、安定していて十分に文書化されているもの、一般的なスキルセット、また堅固なセキュリティコンプライアンスがあります。これはRPAツールにも当てはまります。ビジネスプロセスアーキテクチャ(BPA): 選出されたRPAツールには、あらゆる重要なビジネスプロセスにわたり自動化する能力があることが不可欠です。仮想環境においてなのか、OCRを使用しているのか、コグニティブインテリジェンスを必要としているのかなどです。BPAでは、これらの重要なプロセスを関係性と相互依存性もあわせて定義、また文書化し、ベンダー選定基準をまとめるための包括的なフレームワークを作成します。
POCのポイントは、RPA技術が実現可能か確認することではありません。POCの重要な目的とは、ビジネスケースの仮定をテストして最善の実装モデルを検証し、RPAインテグレーションと技術パートナーの評価をすることです。しかし、いまだ多くの組織が、RPA機能の確認をPOCの目的としてしまっています。この間違いが、POCが意味を成さず、すぐに実施できず、RPAが勢いを失う原因となるのです。意味を成さない理由は、数ある堅固なビジネスケースがすでにこの技術が機能することを証明しているためです。すぐに実施できない理由は、RPAを確証するPOCでは、特定の組織において機能するかどうかの洞察は得られないためです。RPAが勢いを失う理由は、明らかな次のステップがないためです。POCは、ジャーニーにおけるさらに決定的なパイロットとなるような基礎を作るよう、そしてパイロットに進むための承認に必要となる答えと確証を得られるよう考案されるべきなのです。
RPAパイプラインの管理が緩いと、複雑なプロセスの自動化しか候補に残らなくなることがよくあります。おそらくこれは、「RPAは何でもできる」といった過信によるもの、もしくは、よりシンプルな節約の機会よりも高度に複雑化した問題を選ぶといった主観的判断によるものであるかもしれません。どちらの場合でも、規律された優先順位を放棄してしまうのは間違いです。少なくともRPA実装の最初の満一年は、最低1FTEを削減する見込みがあるか実証するため、選択されたプロセスの複雑性を低度、あるいは中度までに制限しておくとよいでしょう。
収穫逓減の現実を見落とし、完全に自動化されたエンドtoエンドプロセスの考えに縛られてしまう組織があります。複雑なステップを自動化することに集中しすぎて、再設計してこれらのステップを排除するといった考えを見落としてしまっています。RPAが低コストで、既存システムを活かせる可能性が高いという性質を持つことを覚えておくのは大切です。他の自動化技術と違い、プロセスステップの部分的な自動化のみで高いROIを獲得することができます。ただ、プロセスに自動化を拡張しすぎてしまうと、実装経費が大幅に増加するためROIの低下につながることがあります。大抵の場合、ロボットを複雑化したルールに設定するよりも、プロセスを最適化する方が賢明な方法だと言えるでしょう。