UiPathがRe:inferを買収 - 自動化で顧客との日常的なコミュニケーションを強化

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本ブログは、UiPath米国本社が発表したブログを翻訳したものです。執筆者のTed Kummertは、UiPath米国本社の製品およびエンジニアリング担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントです。

UiPathは、非構造化データやコミュニケーションを扱う自然言語処理ソリューションを提供する企業Re:inferを買収しました。Re:inferは、英国ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)AIリサーチラボ出身で博士号を持つ複数の科学者により設立されました。同社は、マシンラーニング(ML)テクノロジーを活用することで、迅速かつ正確にコミュニケーションメッセージの文脈のマイニングを行い、これらをアクションにつながるデータに変換します。

現在、80%を超える企業内のデータは構造化されておらず、企業は保有しているデータを業務や成果の改善のための分析に容易に活用できない状況になっています。これらのデータはメール、書類、チャットのログ、ソーシャルメッセージなどの様々な形式で蓄積されており、1年で55%以上増加しています。しかし、こういったデータは顧客との関係性を築くための主要な手段であるため、企業は各コミュニケーション形式に対応する必要があります。顧客との会話には、顧客の嗜好性やニーズに加え、自社の製品、サービス、プロセスについての価値ある情報が含まれています。

コミュニケーションマイニング:AIを用いた優先順位付けと対応

コミュニケーションマイニングと聞くと、何か新しいコンセプトのように聞こえる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、Re:inferの活用がビジネスに価値をもたらした顧客の実例をご紹介します。

カスタマーサポート - メールの案件への紐付け:

95%のカスタマーサービス部門は顧客とのコミュニケーションにメールを利用しています。Re:inferはその受信したメールを読み込み、理解し、受信したメールが新規の案件なのか、既存の案件の追加の連絡なのかを自動で判断します。結果としてコミュニケーションにかかる時間を削減し、カスタマーサポートのエージェントを単純作業から解放します。

顧客体験 - 顧客の声の可視化:

アメリカでは、不十分なカスタマーサービスの結果、年間620億ドルもの損失が出ているとも言われます。顧客の期待と顧客のサービスや製品への期待を理解することは、長期的な顧客を獲得するための重要な鍵です。Re:inferは、カスタマージャーニーにおけるあらゆるフェーズで、様々なコミュニケーションツールから寄せられた顧客のフィードバックの意図と感情分析に関する理解と可視化を大規模に実現することができます。

カスタマーサポート - 自動的に優先順位を判断:

ビジネスの現場では年間1,290億通のメールがやり取りされますーそれは膨大な量です。カスタマーサポートでは、受け取った問い合わせメールに優先順位をつけて、対応するエージェントに振り分ける担当者を置いているケースもあります。メールやチャット等の大量のやりとりがおこなわれるコミュニケーションチャンネルで、Re:inferはそれぞれのメッセージをカスタムしたカテゴリーに分類したり、優先順位を付けたり、データ抽出をしたり、適切な部門や担当者への転送したりすることができます。これによって、従業員はより生産的な仕事に集中できるようになります。

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自動化を通じて毎日の顧客コミュニケーションを強化

Re:inferがどんなプロダクトで、どんなビジネスバリューをもたらすことができるのか、ご理解いただけたと思います。ここからはRe:inferのより細かい仕組みをご説明します。

Re:inferは、多種多様なコミュニケーションツールにおける非構造化データを用いて、マイニング、モニタリング、文脈や意味の理解を通じて、ビジネスコミュニケーションの中での価値を最大化させます。さらに、マシンラーニング(ML)と自然言語処理テクノロジーを利用することで、Re:inferはメッセージやドキュメントをアクション可能なビジネスデータに変換させます。Re:inferは、あらゆる業界をまたがって利用できるノーコードソリューションで、開発者でなくても、それぞれの企業のコミュニケーションデータ向けに簡単にモデルをトレーニング、デプロイし、データモデルを最適化することができます。

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UiPathの自動化プラットフォームと統合することで、開発者は簡単に顧客体験(CX)やコンタクトセンターの拡張性のあるオペレーションを最適化する自動化ワークフローを作成できるようになります。また、メールなどを扱う既存の自動化ワークフローがある場合は、それをさらに高度に強化することにも繋がります。

Re:infer上ではカスタマイズ可能なダッシュボードが利用でき、ビジネスコミュニケーションのデータやワークフローを監視、分析、ドリルダウンすることが可能です。過去のデータも、リアルタイムのデータもレポートできるため、コミュニケーションのトレンドをトラッキングすることができます。

Re:inferは最も厳しいIT要件にも対応できるようにエンタープライズレベルで構築されています。ISO 27001:2013認定を受けており、シングルサインオン(SSO)とロールベースのアクセス制御(RBAC)をサポートしています。

私たちは、自動化技術とAIはfully automated enterprise™(企業の完全な自動化)を実現するための強力なテクノロジーの組み合わせだと信じています。お客様がの自動化を拡大していくのに合わせてそれを強固にサポートするためにUiPath Platformを拡大していきます。Re:inferの買収は、多くの組織の中に眠っている膨大な非構造化データの価値をさらに最大化します。現在Re:inferは、PaychexFarfetchのような組織がリアルタイムですべてのコミュニケーションからインサイトとアクションデータを得るサポートをし、組織と企業を顧客により近づけようとしています。

現在、UiPathのお客様は、Re:infer製品をプライベートプレビューとしてご利用いただくことができます。さらに詳しい情報は、2022年9月27日〜29日にラスベガスで開催されるUiPath FORWARD 5で発表される予定です。

Ted Kummert
Ted Kummert

EVP, Products & Engineering, UiPath

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