UiPath 2019.6月次リリース報告

2019 release

この1か月間、UiPathの製品開発チームが絶え間ない努力を行った結果、注目の新機能がいくつも完成しました。まず6月の始めには、エンタープライズにも対応したUiPath Cloud Platformのパブリックプレビュー版を公開しました。これで弊社プラットフォームのSaaS(Software as a Service)としての提供が真の意味で実現し、まずはOrchestratorからサービスの提供が開始します。これでユーザーはIT関連の作業をUiPathに委ね、自動化プロジェクトの作成に集中することができます。この、「オートメーションファースト」時代の節目となるサービスについての詳細はこちらをご覧ください。また、パブリックプレビューをまだお試しでない方はこちらからサインアップしていただけます。

次に、AI機能についてもワクワクするようなお知らせがあります。UiPathは、「実用的なAI」、つまりお客様の抱える具体的な課題を解決できるAIの開発に注力しています。6月末には、UiPathの世界レベルの機械学習/AIチームが開発した「UiPath Invoice and Receipt AI」のパブリックプレビュー版を公開しました。この機能は、請求書や領収書を処理する上でテンプレートを必要としない「テンプレートレス」アプローチを採用しています。つまりUiPathが開発したAIは、文書から抽出すべき重要な情報の位置を、たとえフォーマットに変更があっても特定できるのです。AI業界のゲームチェンジャーとなるこの新機能は、UiPath Studioから直接使用可能です。この機能を使用すれば、AIによって組織内の支払処理や経費の管理プロセスを簡略化することができます。このAI機能の詳細については、こちらをご覧ください。

6月末にはプラットフォームのプレビュー版を公開し、多くの新機能を発表しました。主な新機能は次のものです。

Studioのデバッグ機能の向上

複雑な自動化プロジェクトにおける滞りのない運用の実現には、Studioで使用できる機能やアクティビティと同じだけ、デバッグのユーザー体験も重要になります。 UiPathはバージョン2018.4から複数のリリースにわたり、デバッグの全体的なユーザー体験を向上させる取り組みを続けています。ユーザーから随時寄せられるフィードバックや、Studioに加わる新機能も考慮に入れながら開発を進めています。 6月のリリースでは、[ブレークポイント]パネルが追加されました。ワークフロー実行時の状況をより詳細に把握し、ワークフローが期待通り動いているかどうかを確認できます。条件付きのものも含むすべてのブレークポイントを一元管理し、有効化・無効化できるだけでなく、アクティビティ名をパネル上でまとめて確認したり、ブレークポイントの条件を式表示で確認したりできます。また、式を編集したり、単純なブレークポイントであれば式を新しく追加したりすることも可能です。

2019.6 release

コードのデバッグ時には、ワークフロー中のデバッグ停止個所を指定できます。停止個所は[実行]タブに移動しなくてもデザイナーパネルから直接設定できるため、生産性が向上します。また、[ステップアウト]を選択すれば、コンテナーを抜けて1つ上の階層の次のアクティビティから作業を続けることも可能です。このオプションは、リボン内の[ステップオーバー]エントリの下から選択できます。

Studioの生産性と拡張性の向上

全世界の開発者が集まる弊社のユーザーコミュニティからは、自動化ワークフローの開発言語にVisual Basic(VB)だけでなくC#もサポートするよう求める声が頻繁に寄せられていました。今回のリリースから、新規のプロセスを作成する際には、プロジェクトの既定の言語としてC#またはVBのいずれかを選択できるようになりました。この画期的な新機能は今回初登場で、現在は試験段階です。ぜひ本機能をお試しいただき、UiPath フォーラムに投稿してフィードバックをお聞かせください。

開発者の生産性を大々的に向上させるもうひとつの新機能は、コマンドパレットです。瞬時にアクティビティを追加したり、クイックコマンドを実行したりといった素早い操作が可能です。ユニバーサル検索機能も新しくなり、ワークフロー内のすべての領域(アクティビティ、変数、引数、セレクター等)について、分かりやすくタブで区別された状態で検索結果を確認することができます。メニュー画面から特定のアクティビティに直接ジャンプできるだけでなく、同じ画面からワークフローにアクティビティを追加することもできます。

2019.6 release

連鎖的に関連するプロセス

多くの場合、洗練されたビジネスプロセスは、互いに関係し合う一連のサブプロセスを繋ぎ合わせてできています。例えば、新入社員の受け入れ業務の主要プロセスの中には、メールIDの作成や人事ポータルアカウントの作成といったサブプロセスが含まれているはずです。こういったサブプロセスは、単体でも機能しますが、複雑なワークフローに組み入れることもできます。

このような場合に役立つのが、独立したプロセスを主要プロセスに組み入れることのできる新機能、[プロセスを呼び出し]アクティビティです。主要プロセスに組み込まれた個々のプロセスの実行を開始・停止できます。この機能には3つのメリットがあります。第一に、組み込み対象のプロセスを複数のワークフロー間で使用できるため、簡単に再利用が可能です。第二に、ユーザーは各プロセスを柔軟に個別で実行することができます。第三に、主要プロセスは常に、紐づけられたOrchestratorのプロセスの最新バージョンで自動的に実行されるので、バージョン管理が容易です。

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[代入]アクティビティ

今回のリリースでは、Studioで非常に使用頻度の高い[代入]アクティビティの機能改良を行いました。この改良はUiPathの開発者コミュニティの声をダイレクトに反映したもので、開発時間の短縮とユーザー体験の改善を実現します。

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これからは、実行時のエラー発生箇所を特定するためにアクティビティの名前を個別に設定する必要はありません。新機能の[複数代入]アクティビティのエラーメッセージはカスタマイズ表示されるので、フィールド内の問題箇所を特定することができます。

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今回のUI体験の改善により、デザイナーパネル上でアクティビティの詳細な説明を簡単に追加できるようになったため、それぞれのフィールドを明確に特定することができます。

ローカリゼーション

ローカル言語に対応している製品やサービスがあれば、世界各地のユーザーが効率よく、簡単に使用することができます。UiPath Platformの2019ファストトラックでは、バージョン19.4.4のパッチから簡体字中国語のサービス提供が新たに開始します。

拡がるRPAエコシステム

UiPathは、業界をけん引する技術を提供する企業と連携して、最新の技術を取り入れた自動化のジョイントソリューションを構築しています。今月は次の機能を公開します。

Microsoft Dynamics 365との連携

Microsoft Dynamics 365アクティビティがStudioに標準装備され、自動化の幅が広がります。このアクティビティは従来のUIベースの自動化とは違い、直接APIにアクセスします。このため、営業案件等のエンティティデータを簡単に作成、更新、および取得できます。

Google Suiteとの連携

既存のGoogle Suiteアクティビティの機能が拡張され、Google Docsの作業もロボットで実行できるようになりました。文書の新規作成、テキストの挿入および置換、文書内のテキスト検索、およびGoogle Docs ドキュメントの一括更新が実行できます。

Orchestrator Mobile

Orchestrator Mobileアプリは多くのお客様にご利用いただいています。お寄せいただくフィードバックに基づいて、引き続きアプリを改良していきます。

ジョブの開始に加えて、ジョブを直接スケジュールできるようになりました。その際は、ウェブ版のOrchestratorに指定する場合と同じ内容の詳細を入力します。新規に作成したスケジュールは既定で有効になります。また、認証機能の仕様を変更し、Cloud Platformアカウントでのログインをサポートしました。

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Community Blog

5月末にUiPath RPA Community Blogが開設されました。本ブログではこの数週間で、UiPathをMacで使う方法ロボットを使って賃貸マンションを探す方法カスタムアクティビティ開発のベストプラクティスなど、多岐にわたるトピックを取り上げてきました(現在英語のみ)。

UiPathのユーザーコミュニティと共有されたいアイディアをお持ちでしたら、ぜひこちらのページからお寄せください。

今月お届けした新機能をお試しいただき、ご意見をお寄せくださいますようお願い申し上げます。

各機能について詳しくは、リリースノートをご参照ください。

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Param Kahlon

EIR, Canvas Ventures