概要
フローティングロボットを使用する上での設定・注意事項を解説します。
Orchestrator v2018.2以前のロボットのプロビジョニング方法では、プロビジョニングする際にマシン名とユーザ名を識別情報として定義する必要がありました。
そのためVDIプールデスクトップ環境(マシン名とユーザ名の組み合わせが動的)の環境では、マシン名とユーザ名のすべての組み合わせをあらかじめロボットとして定義し、実行端末ごとにRobot Keyを設定する必要がありました。
Orchestrator v2018.3で機能追加されたマシンテンプレートを使用することにより、VDI環境でのロボットのプロビジョニングが容易に行えるよう改善されています。
v2018.3以降ではフローティングロボットを使用する際にはマシン名を識別情報として定義する必要が無くなりました。
詳細
マシンテンプレートによるフローティングロボットを使用した場合、Orchestrator側で実行端末マシン名をロボットの識別情報として保持しません。
共通のマシンキーを使用することによりユーザ名のみを識別情報として定義することが可能なため、マシンキーの定義数を減らすことが可能です。
これによって下記の利点があります。
- マシン名とユーザ名の組み合わせが動的の場合でも、ロボットのプロビジョニングにかかるワークロードを軽減することができます。
- マシンテンプレートによって生成されたマシンキーは複数端末に登録が可能なため、マシンキーを使用してOrchestratorに接続した状態でVDIマスターイメージを作成することにより、デプロイされた個々の仮想デスクトップではOrchestrator接続設定が不要となります。
・Attendedロボットにフローティングロボットを適用する場合、手順1~2を実施します。
・Studioのみの開発端末にフローティングロボットを適用する場合、手順1~3を実施します。
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手順1:フローティングロボット設定方法 (Orchestrator)
- 1-1.MACHINESを選択後、Addを選択します
- 1-2.Machine Templateを選択します。
- 1-1.MACHINESを選択後、Addを選択します
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- 1-3.Template nameを入力し、PROVISIONを選択します。
- 1-4.上記手順で作成したMachine Templateに対して、Editを選択します。
- 1-5.表示されたMachine keyをクリップボードにコピーします。
- ※後ほどプロセス実行端末側でUiPath RobotのMachine key設定に利用します。
- 1-6.ROBOTSを選択後、Addを選択します。
- 1-7.Floating Robotを選択します。
- 1-8.Nameには、フローティングロボットにつける任意の名前を入力します。
Domain\Username を入力し、CREATEを選択します。 - Orchestrator v2018.3の場合、Attended以外は指定できません。
- 1-3.Template nameを入力し、PROVISIONを選択します。
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- 1-9.Orchestrator v2018.4の場合、Typeも選択します。 (AttendedまたはDevelopmentを指定できます)
- 1-10.必要に応じて、作成したフローティングロボットをManage Environment画面からロボットグループに関連付けを行います。
- 1-9.Orchestrator v2018.4の場合、Typeも選択します。 (AttendedまたはDevelopmentを指定できます)
- Orchestrator側の設定は以上です。
- Orchestrator側の設定は以上です。
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手順2:フローティングロボット端末設定方法 (UiPath Robot)
- 2-1.タスクトレイ上のUiPath Robotの設定画面を開き、マシンキー、Orchestrator接続先URLを入力し、接続をクリックします。
- UiPath Robot側の設定は以上です。
- 2-1.タスクトレイ上のUiPath Robotの設定画面を開き、マシンキー、Orchestrator接続先URLを入力し、接続をクリックします。
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手順3:フローティングロボット設定方法 (UiPath Studio)
- ※VDI環境においてUiPath Studioでワークフロー開発を行う場合、下記のアクティベーション操作を行って下さい。
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- 3-1.手順1でFloating Robotを作成する際にTypeをDevelopmentを選択し作成します。
- 3-2.次に手順2を実施し、UiPath Robotの接続状態がConnected, licensedの状態であることを確認した上でUiPath Studioを起動します。
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- 3-3.UiPath Robotの接続状態がConnected, licensed以外の状態でUiPath Studioを起動した場合、下記の警告画面が表示されます。
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- この場合、手順2を実施しUiPath Robotの接続状態をConnected, licensedにした上で [Orchestrator からライセンスを取得] を選択することによりUiPath Studioを起動することができます。
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注意事項
- ・フローティングロボットとして登録するユーザーはActive Directoryのドメインユーザーである必要があります。
- ローカルユーザーはサポートされません。
- ・移動プロファイル環境でフローティングロボットを使用する際の注意事項について、次の記事を参照してください。
https://www.uipath.com/ja/resources/knowledge-base/about-roaming-user-profile-error
- ・フローティングロボットは同一ユーザーで複数端末で同時に使用することはできません。最初にログインした端末でロボットトレイまたはStudioを起動した時にライセンスが付与されますが、最初の端末からログアウトしない状態で他の端末にログインした場合にはライセンスが付与されません。
- ・フローティングロボットを使用するにはAttendedロボットはv2018.3以降、Studioはv2018.4以降にバージョンアップする必要があります。