2022年2月25日

2022年、CIOが抑えておくべき自動化のアジェンダの3つのポイント

2022年2月25日

2022年、CIOが抑えておくべき自動化のアジェンダの3つのポイント

本ブログは、UiPath米国本社が発表したブログを翻訳したものです。執筆者のDiego Lomantoは、UiPath米国本社のプロダクトマーケティング部門ヴァイスプレジデントです。



本ブログをご覧の皆さんは、すでに2022年の自動化の取り組みについて計画を立て、目標を設定されていることと思います。しかし、その計画と目標は本当に完全でしょうか? 十分な戦略性を有し、 長期的な展望を網羅しているでしょうか?

目の前にある数多くの機会、また社内全体から寄せられる自動化へのニーズの高まりを考えたとき、単に目の前の作業を完了することだけに集中するのでは、十分とは言えないかもしれません。これらの短期的な「To Do」の狭い範囲だけに集中していると、エンタープライズ環境全体を網羅する戦略的な自動化能力の確立基盤となる、いくつかのより大局的なイニシアチブを見落としてしまう恐れがあります。

そこで、新年度を前に、2022年の自動化のアジェンダに加えるべきいくつかのポイントを確認しましょう。

取締役会およびCEOからの「自動化指示」に対応する準備を整えておく

このフレーズは、昨年10月の「FORWARD IV」であるお客様からお聞きしたのが初めてでしたが、それ以来頻繁に耳にするようになりました。ある大手上場企業のCIO(最高情報責任者)であるこのお客様は、次のように説明していました。

「取締役会の役員は、私たちだけでなく他のさまざまな組織からも、このパンデミック期間全体を通じて自動化がもたらしている数々の驚くべき成果を目にしています。例えば、危機や混乱への迅速かつ効果的な対応、顧客満足の向上…特にオンラインインタラクションにおける顧客満足の向上、大きなコスト削減、また人手を増やさずに仕事の処理量を増やすといったことを、自動化がどのように実現しているのかを彼らは見ています。そして今、取締役会は全社を通じて自動化をコアコンピタンスに変えるための計画を策定して実装することを私たちに求めています。彼らが求めているのは、長期的な競争優位性を確立するための戦略的な武器として自動化を活用することです」


実際にこのような自動化の指示を受けたと想像してみてください。どのようなアクションが必要でしょうか? そして、プロジェクト推進にあたりどのような課題を解決しなければならないでしょうか? アジェンダに加える必要があるいくつかの大きな課題を以下に列挙します。


● エンタープライズレベルの規模、幅広さ、複雑さ、洗練度合いの自動化をサポートできるテクノロジーを確保すること
● 組織内全体を通じて、あらゆる自動化の機会を最もコスト効率よく完全かつ短期間で洗い出して文書化できる方法を特定すること
● 短期間で自動化を成功に導くことができる適切な組織構造を構築すること
● 従業員が自動化を受け入れて「自動化ファースト」の姿勢でさまざまな問題解決に当たることをサポートする、大規模な変更管理プログラムを策定および実装すること
● 従業員がそれぞれの日常業務の自動化を「DIY」できるようにするツールおよびトレーニングを提供すること
● デジタルワークフォースがセキュリティおよびコンプライアンス環境で本来の仕事を確実に遂行できるようにするガバナンス態勢を構築すること

 

ただし、これらは、まだ始まりにすぎません。上記のCIOは、「このような指示を取締役会から受けたら、自分の考え方、また行動を、戦術的なものから戦略的なものへとレベルアップさせなければなりません」と述べています。これによって、それまでの自動化のアジェンダの上に、さらにまったく新しいアクティビティの層が1枚加わることになります。

自動化の技術的側面のさらに先、人的な側面にもフォーカスする

今後5年間、自動化によって仕事の進め方(ワークプロセス)だけでなく働く場所(ワークプレイス)および働く人(ワークフォース)も変革するでしょう。そのため、HR(人事)部門の関与を促し、自動化をHR部門のアジェンダにすることが重要です。

HR部門は自動化プログラムで多くの重要な役割を果たしますが、ここでは3つに絞って説明します。まず、先に述べたようにHR部門は、自動化トレーニング、従業員による受け入れと利用、デジタル移行管理を主導する責任を担っています。皆さんがこれらの部分ですでにHR部門の支援を取り付けていればよいですが、そうでなければ、手配する必要があります。

次に、実際の人間による労働を人とロボットのハイブリッド型の労働へと変革していく中で、HR部門は混乱を抑えながら新たな労働環境へのスムーズな移行を助けることができます。例えば、数多くのお客様で、HR部門が新たに出現する仕事と今後なくなる仕事を予測して、このシフトの影響を受ける人たちのための移行およびトレーニング計画を立てることに熱心に取り組んでいます(これは非常に重要な作業です - Deloitte社の調査によれば、企業の経営幹部は自動化の結果として従業員の3分の1に再トレーニングを行う必要があるだろうと予測しています)。

 

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最後が、人材の採用です。McKinsey Global Institute(MGI)の調査によれば、反復的な作業をロボットが実行する世界では、ロボットができる以上の価値を付加できる人間が必要になります。これらの人材には、認知力および創造力を有しているとともに、デジタルテクノロジーに精通し、新しい働き方に適応できる柔軟性が求められます。皆さんの組織も、これらの条件を満たしている人材を十分に確保できていないのではないでしょうか。そこで、既存の従業員のスキルアップを行うとともに、自動化の効果を最大化するために必要な新しい人材を特定して獲得することがHR部門の仕事になります。

組織の大きな問題を緩和するために自動化を推奨する

自動化を熱心に推進するのは素晴らしいことですが、自動化によって社内の他の人たちが抱えている課題に対処できるということを、その人たちは本当に理解していますか? もし、この点についての理解がまだ進んでいないのであれば、自動化がどのように役立つのかということへの理解を他の従業員、さらには組織全体に、広めなければなりません。

例えば、人工知能(AI)を考えてみましょう。おそらく皆さんの組織は高度なモデルの構築やAIを活用したソリューションの開発に多額の投資をしていると思いますが、当初期待したとおりの利益(リターン)は得られていますか? 多くの組織は、「いいえ、まだです」と答えるでしょう。その最大の理由の1つは、モデルを開発環境(ラボ)から本番環境へ移行してフル稼働させるまでに要する時間です。

先頃Run:AI社が実施した調査では、全回答者の3分の2がモデルを実際に稼働させるまでに最低でも1カ月はかかると回答しています。また、自社のAIの圧倒的大部分(90%)が今も使われないままラボで眠っているとした回答者は、全体の20%に上ります。

自動化によって、このようなAI導入時のプロセスは圧倒的に迅速化できます。例えば、自動化したデータの抽出、変換、統合を構築する場合、ローコードのドラッグ・アンド・ドロッププラットフォームを使えば、新しいモデルやデータフローを構築するたびにオーダーメードでコーディングを行って開発するよりも、はるかにスピーディかつ高い信頼性で構築することができます。また、洗練されたモデルをドラッグ・アンド・ドロップでワークフローに組み込むことができる「UiPath AI Center™」のような機能を有する自動化プラットフォームであれば、さらに高い効果が得られるでしょう。モデルを迅速に本番環境に移行させるために、多くの組織で分析と自動化のCOE(中核的研究拠点)が緊密に連携しているのも不思議ではありません。

組織内で自動化によって数々の大きなメリットを得られる分野は、他にも数多くあります。例えば、皆さんの組織では最近大規模なサステナビリティプログラムを立ち上げたり、場合によってはCSO(最高サステナビリティ責任者)を迎えたりしていませんか? 自動化は、サステナビリティに対する取組みもさまざまな方法でサポートします。例えば、利用回数が低い時にデータセンターをシャットダウンする自動化プログラムを実装したケースでは、電力利用を65%削減できました。多くのお客様が、それぞれのサステナビリティチームと連携してレポート作成を自動化することで、より完全かつより高い頻度でより正確に持続可能性に関わる活動を監視して、評価できるようにしています。

また、収益に関わる部分へも果敢に踏み込んでいきましょう。新しい事業の立ち上げや品質を向上したサービス提供を予定している場合、顧客満足を高め、簡単にスケールアップが可能で、柔軟かつ高い収益性をもたらす製品やサービスを短期間で構築する際に、自動化が役立ちます。同僚の皆さんに何ができるのかを伝えるとともに、自動化ファーストの考え方により、膨大な数の新しい可能性を引き出し、収益アップにつなげられることを教えてあげてください。

ここで述べたことは、皆さんの考えの幅を広げるとともに、場合によっては、皆さんの現在の優先順位を見直すきっかけとなり得るほんの少しのアイデアです。自動化は、企業を取り巻くエンタープライズ環境全体に非常に大きなインパクトを与える可能性を持つ革新的なテクノロジーです。自動化の価値を最大限に引き出すために、2022年の自動化のアジェンダが十分な大きさ、大胆さ、戦略性を備えていることを、是非確認してみてください。

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by Digital Marketing Japan

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