2020年のRPAとAIを取り巻く7つの予想

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本ブログは、UiPath米国本社が発表したブログを翻訳したものです。 ガイ・カークウッド(Guy Kirkwood)はUiPath米国本社のチーフエバンジェリストです。

私は、2019年10月にラスベガスで開催されたFORWARD IIIにおいて、2020年のロボティックプロセスオートメーション (RPA)、人工知能(AI)、およびオートメーション業界の進歩について7つの予想を立てました。来年は、RPA業界が成熟するにつれ、そして世界経済がそれに呼応して適応するにつれて、多岐にわたり大きな変化が訪れることでしょう。

全体としては、RPAが成熟するペースが加速し続けます。経済の変化、新世代のワーカー、および技術の進歩のスピードに拍車がかかるでしょう。組織は、自動化を標準化しスケーリングすることで対応し、企業は競争力を維持するために小規模なRPAベンダーを買収・統合していきます。

大企業と中小企業の双方が変化していくことで、RPA業界が新しいレベルに押し上げられ、それにより「オートメーションファースト」思考は戦略的必須要件となっていきます。

2019年のRPA業界6つの予想を振り返る

私は、2018年に2019年のRPAを取り巻く6つの予想を立てましたが、2019年には、そのうちの5つが現実に起こっています(そして、おそらく6番目の予想も部分的には実現したと言えます)。

1. Attended RPAの実装がUnattended RPAの実装を凌駕する

この予想は今年の5月に現実のものになりました。売上額で見るとまだUnattendedロボットの方が多いのですが、今日の市場での導入数では、UiPathのAttendedロボットがUnattendedロボットの数をすでに超えています。

2. 世界中の公共セクターでRPAが飛躍的に増加する

特に米国政府はRPAの予算を倍増しており、現在UiPath社では55を超える公共セクターのお客様に協力しています。

UiPathは、米国政府の隅々にいたるまで大規模に採用されています。2018年12月下旬には24のクライアントを抱えていましたが、さらに31の連邦政府機関、2つの州政府(カリフォルニア州とオハイオ州)、郡、および革新的な都市のクライアントを獲得するまでに成長しました。郡、州、および連邦政府の当社クライアントは、2019年に9つのイノベーション賞を受賞しています。オートメーションファースト思考の政府は、より良い市民サービスへの道を切り開いています。 - UiPath、公共セクター担当マーケティングディレクター、ジム・ウォーカー(Jim Walker)

3. RPAの事例は、人員削減の観点から構築することを止め、本来の業務に充てる時間を生む方向へと転換していく

RPAの実装によって人員を削減する流れは、生まれた時間を本来のビジネスに向ける形へと変わりました。これにより、より多くの従業員が安心して仕事に専念することができるようになりました。

4. AIが徐々に主流になっていく

現在、RPAは広範なAIの本流の一部になっており、分離されてはいません。企業や組織は、オープンソースツールを使用して構造化データと非構造化データを管理する方法を学んでいます。

5. アナリストはRPA市場の成長を過小評価することを止めない

アナリストらは、RPAの成長について多くの異なる予測をしていましたが、実際の業界の成長率は、昨年の予測の最高値さえも凌駕しています。

6. アウトソーシングは終焉を迎える

アウトソーシング業界は滅んではいませんが、劇的に変化しています。アウトソーシングは、業務プロセス自動化への新しいアプローチを統合し、RPAを主要な提供形態とするマネージドサービスを構築しています。

2020年のRPA・AI業界の7つの予想とは?

2019年の振り返りはいかがでしたでしょうか?

さて、私は、FORWARD IIIにおいて、グローバルな観点から技術面に至る範囲で、2020年に向けて以下の7つの予想を立てました。

1. 世界的な経済不況が自動化の採用を促進する
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金融市場から発せられる警告がその先を予言していることは、すでに証明されていますが、今現在は楽観的な姿を描いていません。長期金利の低下と企業投資の大幅減は、世界的な緊張、紛争、および貿易戦争による不安定性の高まりを反映しています。消費者の恐怖心がつのったまま需要が急減した場合は、また新たな不況に直面する可能性があります。

通常、組織は従業員を解雇して逆境に抗おうとしますが、自動化は全く新しい方法を提示します。

現実に経済不況に直面して事業活動をする場合は、従業員をレイオフするのではなく、ビジネスモデルを自動化に適応させていくと予想します。組織は、人材への投資は人材を維持する余裕ができた時になって報われることを理解しています。自動化が利用できるようになると、従業員規模を縮小するのではなく、ロボット規模を拡大することが可能になります。

オートメーションファースト思考の組織にとって、経済不況は、ビジネス、株主、および従業員を変革し利益を得る絶好のチャンスと言えます。一旦経済が回復すれば、最終的に多くの組織と従業員は、この思考により優位な立場に立つことができるのです。

2. RPAは自動化のYouTubeになる
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2020年に、RPAは他のエンタープライズオートメーションツールの中心的なプラットフォームとしての地位を確立するでしょう。

ネットワークと通信を提供するEricsson社では、すべての従業員にロボットを1台ずつ支給し、一般の開発者を支援する機能を構築することを計画しています。Ericsson社で自動化のヘッドを務めるデビッド・ハンター(David Hunter)氏は「RPAは自動化のYouTubeになるでしょう。」と述べています。

言い換えると、YouTubeがビデオコンテンツのリポジトリであるのと同じように、RPAは自動化のリポジトリになるということです。まとめ役としてのRPAが、より便利で再利用可能な自動化コードの開発と並行して実行されることで、これまで以上に広範囲に普及していきます。この集中化と機能の普及により、組織は業界や地域を越えてコードを再利用できるようになります。

これは、RPAがより一層利用しやすく拡張可能になっていく長期的なトレンドにおける初期段階です。UiPathでは、長期にわたりUiPath Communityエディションを無料で提供し、UiPathアカデミーを通じて容易に知識を身に着けられるようにしてきました。同様に、Softomotive社によって開発されたRobinのような新しいオープンソースRPA ツールは、ロボットをさらに多くの人々の手元に届ける方法を提示しています。

3. 一層多くの組織がロボットを組み合わせて再利用する
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「組織はロボットを雪の結晶のように扱う。」これは、UiPathアメリカ地区担当副社長兼チーフエバンジェリストであるチェット・チェンバース(Chet Chambers)が思い至った言葉です。この観点からすると、それぞれの自動化プロセスは、固有の課題に紐づけられた固有のソリューションということになります。

2020年には、組織はこれらのロボットをより一層適切に標準化して、ユース ケースや部門へ、そして最終的には企業や業界全体へと適用する方法を学ぶことでしょう。一旦、ロボットを組み合わせて再利用可能で反復可能な要素に標準化すると、雪の結晶は雪の塊、いわゆる雪玉になります。

雪玉を作るには雪の結晶が必要ですが、塊にすることで一層パワフルになります。これらの雪玉ロボットは互いによく似ているので、あらゆる業界や地域で使用方法を予見することができます。雪の結晶を雪玉に変えるプロセスは今後よく見かけるようになり、さらに予測可能なデプロイと容易なスケーリングをもたらすことでしょう。

4. 新社会人が職場の自動化の実装を促進する
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Symphony Ventures社の共同設立者兼最高戦略責任者であるイアン・バーキン(Ian Barkin)氏によれば、「組織は成長するにつれて、その複雑性を継承する」とのことです。彼は組織の分析を考古学に例え、時と共に厚みを増していくプロセスとシステムの層を掘り下げています。

ほとんどの企業の歴史において、従業員は益々時代遅れになる技術システムを反復的な手作業を介して接続し統合する必要に迫られ、行き詰っていました。2020年に企業に入社する学生は、より良い働き方の選択肢を心得ており、時代遅れの企業にプロセスの変革を強いることになるでしょう。

このような企業やプロセスを知らなかった学生は、「世の慣習」に慣れようとすることはありません。彼らは、何年も同じことを同じ方法で行っている理由を尋ねますが、納得が得られる答えは返って来ません。

UiPathアカデミックアライアンス(英文ページ)で実証されているように、学生が学校で自動化を意欲的に学習する傾向があることを考えると、入社後には自分の仕事の一部を自動化し始めるでしょう。新入社員がより効率的かつ効果的に作業するにつれて、組織はRPAの明確なメリットを実感し、躊躇なく変化せざるを得なくなります。

5. マシンの知性に驚かされ続ける
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マシンインテリジェンス(機械知能)の能力はひたすら成長を続けています。

かつて人間だけができると考えていたタスクも、瞬く間にソフトウェアで実行できるようになります。AIの成長はムーアの法則と同様に指数関数的であり、そこには多くのサプライズが待ち受けています。

AIとコンピューティングに見られるすべてのイノベーションは、量子コンピューティングのイノベーションと並ぶように発生しています。量子コンピューティングは量子ビットの数を規則的に増やしており、この能力を活かしたユースケースの可能性は無限大です。以前に、変えることができないとして受け入れた限界も長くは続きません。

AIにおいても、最も根本的な仮定でさえ疑念が一層深まっています。MITのジュリー・シャー(Julie Shah)准教授は、線形時相論理によってAIの実現可能性を押し上げています。

人工知能は人工直観(Artificial Intuition)へと移行しつつあるのです。これにより、マシンの生のインテリジェンスと、すでに見知った情報に基づいて次善のアクションを特定し適用する能力との間には違いが生じます。

6. RPAは世界を舞台にして語られる
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自動化の影響範囲が社会全体に及んでいることは実証済みです。

2020年には、国連や世界経済フォーラムなどの政府外組織が、雇用、賃金、および世界経済の文脈でRPAについて議論することでしょう。自動化はすでに、各国の内外の経済に大きな影響を及ぼしています。

各国もまた、自動化が社会に与える影響にますます関心を深めています。これらの社会政治的文脈と政策議論でRPAを優先することは、私の最初の予想が正しいことが証明され、ロボットが来たる経済不況の中で重要なプレーヤーになった場合に限って一層その重要性が増すのです。

7. RPAベンダーと自動化サービス企業間での統合が加速する
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さらに大規模で知名度の高い企業がRPA市場に参入して、新興のRPAベンダーを買収し合併していきます。

ガートナー社のRPA部門マジック・クアドラントレポートForrester社によるForrester Wave RPA部門レポート等によって選出されたリーダー企業は、企業価値評価が高すぎるため、買収の局面に至らない可能性があります。一方で、RPA市場への新規参入企業は、これらのリーダーと競争するために小規模組織を買収して合併していきます。

グローバルサービスインテグレーターやその他のテクノロジー企業は、すでに自動化サービス企業を買収しています。以下はその例です。

  • 2017年 Accenture社がGenfour社を買収

  • 2019年 Sykes社がSymphony社を買収

  • 2019年 Blue Prism社がThoughtonomy社を買収

2020年には、サービスおよびテクノロジー企業全体で、これらのチャレンジャー企業の統合が継続するでしょう。

2020年以降のRPA・AIの進化に向けて

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RPAとAIの進歩に遅れずについて行くことは困難を伴いますが、これらの動向を洞察することで優位に立つことができます。

RPAの効果の規模感とその能力が持つ複雑性は、進歩が指数関数的に発生することを意味しています。オートメーションファースト思考を中心に置いたデジタルトランスフォーメーション開発戦略は、将来企業が生存するためにますます不可欠になっています。

2020年にもたらされるいくつかの変化の中で、革新的なものだけが反応し、適応し、そしてリードすることができると予想されます。

UiPathは、2019年第4四半期のロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に関する「The Forrester Wave™」レポートにおいてリーダーとして評価されました。レポートは下記からご覧ください。

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詳しくはこちら

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Guy Kirkwood

(Previously) Chief Evangelist, UiPath

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