テクニカルアカウントマネジメント(TAM)本部 執行役員 本部長 中川 清志へのインタビュー前編では、TAMが提供するサポートサービスの概要や、中川の経歴についてご紹介しました。
後編では、お客様の満足度向上につながる人材戦略に関して、さらにはその基盤となるUiPathの企業カルチャーの醸成について語ってもらいました。
中川が統括するテクニカルアカウントマネジメント(TAM)本部では、業務自動化ソリューションの導入をはじめ、UiPathをご活用いただくために役立つ有償の技術サポートを、各々の専門エンジニアたちが担っています。
改めて言うまでもありませんが、業務自動化の最大のメリットは、現場における単純な作業やルーチン業務が削減されることで、現場の皆様がより高度な仕事へと集中できるという点にあります。
前編で紹介したように、中川は“お客様の立場に立って、同じ言葉で話す”ことを基本的な信条としていますが、まさにそれがサービス品質に直結するポイントなのだと説明します。
「業務自動化を推進し、現場のご担当の皆様がそれぞれの専門性を活かしながら、より高度な仕事を行えるようにすることが、私たちの価値提供の本質にあるのだと考えています。そのためには、お客様と情報交換を行う中で、その言葉を深く読み解き、核心にあるニーズを捉えることが不可欠です。聞き上手であり、かつ話し上手になることはなかなか難しい課題ではありますが、私たちへの信頼を深めていただくために、私も可能な限りお客様と直接お目にかかる機会を作るよう努力しています」
お客様のニーズに即した、高品質な技術サービスを提供していく上で、技術者を適切にアサインすることは最重要の事項となります。
TAMの中には、話す力に長けた人材、ヒアリング能力に長けた人材、特定分野での技術に長けた人材など、様々な能力を有したメンバーが揃っています。中川は、それぞれのメンバーが持つ個性を活かしながら、お客様のビジネスのフェーズと課題に合わせた人材をアサインできるよう、緻密なマネジメントを心掛けています。
またメンバー自身も、それぞれの能力をさらに伸ばしていけるよう、自己の能力開発に積極的に取り組んでいます。
UiPathの社内には、技術系から営業、メンタル、コンプライアンス関連まで多種多様なeラーニングプログラムが用意されていますが、TAMのメンバーに対しては、キャリアパスを考慮に入れた上で、自己成長のための専門的知識やスキルを身に付けるため、業務時間の10%程度は専門的知識やスキルの時間のために確保するように呼びかけています。そうした中でベストプラクティスを学び、自身の業務において活かしてもらえるようになることを期待しています。
さらに、お客様のDXを推進することが第一義であることはもちろんですが、若手社員が業務を通じて成長していけるよう新たな課題に取り組ませたり、逆にジュニア社員と組ませることで後進育成の経験を積ませるといったチャレンジの機会を与えたりもしています。
加えて、社内での情報共有体制について、中川は次のように話します。
「多くのプロジェクトを担当させていただいていると、似たような壁にぶつかることも少なくありません。そこで、そうしたケースを情報として整理しておき、全社レベルで共有するとともに、重要な問題については社内に広くアナウンスするような仕組みの構築にも取り組んでいます。結果として、業務効率が高まるだけでなく、UiPathをご利用いただいているお客様全体の満足度向上にもつながっています」
そして中川が社内運営において最も大切だと考えているのが、部門間のサイロを解消し、すべての社員が自由に動けるような仕組みとカルチャーを醸成していくことです。
企業カルチャーの基本的なスタンスについて、中川は次のように話します。
「自分のグループだけでなく、どうすれば本部全体の動きが良くなるのか。さらには本部にとどまらず、全社がよりスムーズに機能していくためには何をすれば良いのかといった視点で状況を判断し、アクションを起こしていくことが、最終的には自分の仕事がやりやすくなる環境づくりにつながるのだと私は考えています。自分の業務範囲を超えて、会社の成長、さらにはお客様の成長へと目を向けて一人一人が行動できるようになれば、それはとてつもなく大きなエネルギーになるはずです」
そうしたビジョンの一環として行われているのが、社内で活躍した社員を表彰するJapan Awardです。以前は半年に一回開催されていましたが、2024年2月を最後に途絶えていたため、このままだとFY25の表彰が行われないのではないかと危惧した中川と人事責任者である村上が、有志数名とともにプロジェクトを立ち上げ、数ヶ月の準備を経て復活するに至りました。
Award発表にはオンラインも含め多くの社員が参加し、大変好評でした。Leadershipチームと共に、今後も定期的に続けていきたいと考えています。
また昨年は、社員の家族に会社のことを知っていただくためのイベントとして「オープンオフィスデー」が開催されました。父親や母親、パートナーが働いているオフィスが素敵な場所であることを知ってもらうことを目的に2019年に開催されたっきりだったイベントですが、コロナ禍に入って5年間、開催が見送られていたものです。2024年にはコロナも終息し、社員からの強い希望もあったことから、有志により復活開催の運びとなりました。
多くの方に楽しんでもらえるよう設置された食べ物の屋台やゲームコーナーは大盛況でしたし、子供たちにその場で作ってあげた名刺を子供同士が互いに交換し合うなど、充実した1日になりました。
これからも定期的に開催していきたいイベントの一つです。
UiPathの社内には、2人で共同しないと商品が出てこないドリンクのベンディングマシンがあります。社員が無料で利用できるサービスですが、2人が同時に社員証をタッチしないとドリンクが出ないような仕組みになっています。ドリンクが飲みたいと思った時は、近くにいる他の社員に声をかけて、一緒に社員証をタッチしてもらうようお願いすることになるため、自然にコミュニケーションが生まれます。こうしたところにも社員交流のタネが仕込まれています。
「私は、企業のカルチャーというのは“採用”の連鎖によって作られていくものだと思っています。新しく誰かが採用され、その人が企業の中で成長し、また誰かを採用する。その連続の中で生まれる共感やチームへの愛情が、企業のカルチャーとなって形作られていくのではないでしょうか。良いカルチャーが育っている企業の社員は、そのチームに所属していることに楽しさや喜びを感じます。エネルギーはそうしたカルチャーから自然に溢れてくるのです」(中川)
UiPathに、外資系企業にありがちなサイロ化した組織文化が存在せず、社内全体にいつもオープンな空気が流れているのは、こうしたカルチャーを育てる人材が“連鎖的”に入社してきているお陰なのかもしれません。
中川は今後UiPathに期待することを次のように話します。「私が所属するTAMに限らず、UiPathが今後も成長していくためには、社員一人一人が自分のことだけを考えるのではなく、チームのために、そしてお客様のためにいま自分自身は何が出来るかを考えて行動できる人材となってほしいと思います。そのためには、元気に働ける、オープンで明るい職場環境をこれからも維持していかなければなりません。この素晴らしいDNAをこれからも社員の皆さんに綿々と引き継いでいってもらいたいと願っています」
Japan, UiPath
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